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自作ゾンビ小説の草稿投稿中。
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いらっしゃいませ。


自作のゾンビ物語の草稿を投稿中です。
予定では4日間の出来事として書いて
いますが3年も経つと言うのにようやく
3日目。それでもめげずにやって来れた
のは読んでくれる方がいらっしゃるから
こそと感謝しています。今後も感想なり
コメント頂けますと非常にやる気と
励みになります。宜しければ一言でも
添えて頂けますと嬉しいです。
自作ゾンビ物語。
[portrait of the dead]

めざせ!! ゾンビ小説家!!
ゾンビが好きすぎて自作のお話なんか
拵えております。なにぶん素人の
書く物語なので大目にみて下さい。
「ゾンビと暮らす。」(仮)→目次
スペシャル企画。
不定期更新
◆ZOMBIE vs. BABY◆


「生ける屍対赤児/目次」
「産まれて間もない新生児」と
「死して間もないゾンビ」との比較検証。
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南瓜金助 (みなみうりごんすけ)
性別:
男性
自己紹介:
別HNカボチャスキのお送りします
来た人だけが知っている秘密の部屋。
言うに洩れずホラー映画が好きです。
憧れの人はフック船長と芹沢博士に
スネーク・プリスキンとDr.ルーミス。
彼らに多大なる恩恵を授かりました。
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→目次ページはコチラから

[portrait of the dead]


ブルルルルル…ブルルルルル…ブルルルルル
ジャージーのズボンのポケットに入れっぱなしの
携帯電話のバイブでまた眠りを妨げられる。
僕は慌てて携帯を取り出し、電話に出た。
…メールだ。差出人は…そう、彼女だ。
ピンクのハートマークが何十個と並ぶ、幸せそうなメール。
僕は返信しようと携帯電話の文字盤を指で押し始める…。
すると、ジャージーのポケットの中から再び振動が。
ブルルルル…ブルルルルル…ブルルルルル…
手に持った筈の携帯電話は消え、夢から引きずり出された。

目が覚める。
ジャージーのズボンのポケットから振動していた
携帯電話を慌てて取り出し、画面を見る。
河井から電話がかかっていた。河井は昨日、母親と一緒に
近所の中学校へ避難したと言う連絡があったきりだった。
僕は通話状態にした電話を耳に当てた。

「ひ……宏幸か?!」
河井の声は震えていた。ただならぬ気配…。

「あぁ…河井、どうした?」
「お前、まだ家か?」 「そうだ…」
「そりゃあ、正解だったかも…」
「どういう事…?河井…お前、ちゃんと避難したんだよな?」
「やばいよ…どうすればいいのか判らない…
逃げ道が無くなった、やつらに襲われて…」
「避難していたんじゃなかったのか?」
「してた…でも…襲われて逃げたんだ…
体育館の中の…二階があって…狭い放送室みたいなスペースに…
7人くらいいる。ドアは棚と機材でバリケードにして
開かなくしたけど…でもここから身動き出来ない…」
「警察…に電話したのか?」
「したよ!!…もうずっと繋がらないよ!!」
「わ、解った…こっちからも、かけてみるよ
…状況を教えてくれ…何故そんな事に…?」

おかしい…避難した筈の人間が何故、襲われたんだ?
僕はしっかり聞かなくてはと思い、ひとまず寝ていた体を起こそうと
力を込める。…体中に激痛が走った。起きれない…。これはまずいぞ。
痛みの原因は解った…やむを得ず僕は寝たままの体勢で
河井の話を聞いた。

「体育館は血の海だ…噛まれた人も既にやつらの仲間に…」
「避難していたんだろ?なんでそんな事に?」
「避難して来た人は100人くらいだった…。
避難して来たとき、念入りにチェックしたんだ…噛まれている人は
中には入れてもらえないくらいに…だから誰も安心しきっていた。
…夜中…たぶん3時前だったかと思う…
消灯して暗くはしていたが外への見張りも立て用心していた…
体育館は今日の惨状を嘆いて、悲しんで、泣く者に嗚咽を漏らす者の声が
響いていた。そんな中で…だからか、誰も気が付かなかったんだよ…
中に現わた事を…たぶん、誰かが…死んだ…
過労死かショック死か解らないけど死んで、そいつが蘇って
辺りの人の喉笛を咬み喰らっていたんだ!! ひっそりと!!…」

なんて事…!! そんな事って…!!
確かに死体が蘇ってこの大惨事が起きた…そんな事もあり得たのか!!
気付けなかった衝撃が僕を包み込む。集団では時にまずいと
戦慄を憶えた。河井の声は震えていたが淡々と状況を説明を続けていた。

「気が付けば、すぐにパニックだ…みんな逃げ惑う事に精一杯。
薄暗い中では思うように行動出来なかったんだ…。
扉には用心の為に体育館の舞台の下にある引き出しと、
その中にあった折りたたみ椅子でバリケードを作って…
万が一の時の外からの侵入を阻止する筈だった…。
それがアダになった…扉を開けようとしたがバリケードが邪魔で
扉に辿り着く前にやつらに追いつかれみんな襲われていた…。
バリケードの前には転んだ人が何人も重なっていて
逃げ惑う人に踏み殺されたり、やつらに喰い殺されたりで、
俺たちはかろうじて舞台の袖の階段に気付き、上って
この放送室に逃げ込んだんだ…。ひでぇよ…どうすりゃいいんだよ?」
河井の息が荒くなったのが判った。
「河井、そこは安全なんだな?なら、落ち着いて逃げる方法を、か…」
ピピピ、ピピピ、ピピピ…
しまった!!…携帯の電池切れの発信音だ!! まずい!! 充電器はどこだ?
あるはずの机の上を見渡すが見つからない…枕元にも無い。
「た…頼む…宏幸…たす………」「か…河井…すま…」 …電源が落ちた。
なす術も無く、音の無くなった電話機を耳元からどかす。

…悪い夢だ。

カーテン越しの窓からは僅かに明るくなりはじめた空が感じとれた。
痛む体をゆっくりと起こし、カーテンを少しずらすと外の様子を見る。
街灯に照らされ、男が一人、ゆっくりと歩いてるのが見えた。
出勤時間だろうか。たぶんサラリーマンだ。
スーツを着てネクタイを締めきちんとした姿。
…体中が血で真っ赤に染まっていなければ。
目が覚めて、起きたら全て夢だったなんていうオチを
心のどこかで期待していた。

…夢なんかじゃないんだ。
…痛む体も物語っている。

…2日目が始まっていた。

街灯はまだ点いている。
まだ電気は生きていた。…充電は出来そうだ。
しまった…近くの中学校の体育館てどこだ?
充電が出来たら河井に電話かメールで確認しなければ。
それが解らなければ警察等へ連絡が取れても意味が無いだろう…。
河井の携帯番号は携帯電話のアドレス帳にしか登録していなかった。
仲の良かった村瀬にはもう聞きだせる訳も無く、
自宅電話からの連絡も今は諦めるしか無い。

肝心の電気もいつ使えなくなるか解らない。
携帯電話、テレビ、パソコンと情報源は全て電気頼みだ。
この状況が続けば労力も財源も僅かで維持すら困難なのではないか言う
考えがよぎり、いまにも限界は来てしまいそうに思えたが、
僕が心配してどうにかなる事ではないのは解っている…
電気が流れ続けるてくれる事を祈るのみだった。
新しい情報は無いかと部屋のテレビを点けようとしたが
まだ薄暗い外に気が付き、明りは命取りになるだろうとやめる。

壁にかけられた時計を見ると、午前4時55分…。
昨日何時に寝たのかさえ解らないが今無事だと言う事は、
寝ている間は何も起こらなかっと言う事だろう。
…ひとまず、胸を撫で下ろす。
春とは言え、まだ底冷えする寒さは倒れ込んだまま寝てしまった体を
すっかりと冷やしていた。毛布に包まろうと体を起こす。また激痛。
痛い…これはまずい…筋肉痛に違いなかった。
昨日、彼女を担いで走ったり、一人で家具を移動し
バリケードを作ったりと、普段使わない筋肉たちを総動員
したのかもしれない。左腕は特に痛んだ。見ると案の定、
彼女に掴まれた所が痣になり腫れていた。
とにかく、筋肉痛に効く痛み止めを飲もう。
効くといいが…先が思いやられる。
彼女はどうだ?様子を見に行かなければ。
あぁ…ガムテープ探さないと。
今日やらなければならない事をやらなければ。

…重い腰を上げる。

ベッドから足を下ろすと
携帯の充電器が床に落ちているのに気が付き
机の上に戻すと携帯を差し込み充電を始めた。
少し充電され使える状態になると
河井に電話を入れてみるが繋がらなかった。
メールで中学校の場所を指示してくれと送信する。
携帯の充電は暫くかかりそうだ。
机の上を見ると笑みがこぼれる。そうか、これのせいで
彼女が充電器を落としてしまったのかもしれない。
彼女の机面に記したハートマークの数々に、何故か解らないが
楽観的な希望めいた喜びが込み上げて来た。

…重かった腰が軽くなった。

すぐにメールの返信があるかを確認しに来るつもりで
充電中の携帯電話は机の上に置いたまま、
ベッドの枕もとにあった懐中電灯を拾うと
TVを見ようとリビングに向かった。


用心しながらリビングに入ると
外へ光が漏れないように入口のドアを閉め部屋の明りを点けた。
彼女を閉じ込めた両親の寝室はドアは閉まったままだ。
何事も起きていない。とは言え、やはり彼女の様子が気になり
ドアの前のバリケード代わりのソファーをずらすと、
ガムテープで閂代わりに括り点けたバットを外しドアを少し開け
中を覗き込んだ。雨戸を閉め切った部屋の中は真っ暗だったが
リビングの明りが中をうっすらと照らし出すと、彼女はベッドに
のり巻き状のまま横たわっている……筈だった。
…!!? どうした?! おかしい!! のり巻きごと消えている!!
まさか…のり巻きがほどけて…?…なら、彼女はどこだ?!
見た感じ寝室には見当たらないぞ!! 慌てる。…どこにいるんだ?!
彼女の顔がいきなり僕の目の前に現れる!! …そんな事態はまずい。
僕はドアをゆっくりと大きく開くと、襲いかかられた事を考え
ドアから体を離しながら部屋を覗き込んだ。
1秒、2秒…3秒…10秒…15秒…
彼女が出て来る様子は無い。歩いている気配すら無い。
僕は意を決して、寝室の入口から中に頭だけをつっこみ覗き来んだ。
室内を見渡すと…彼女はいた。
ベッドに横たわると足の方向に位置する、
ベッドと壁の間に出来ている60センチ程のスペースに。
動いて転がってしまったのか、のり巻きのまま落ち、
更に身動き出来ず挟まってしまっていた。…これは都合がいい。
のり巻きから飛び出している膝から下の足がもぞもぞと動いた。
この状況に安心して、僕は寝室の扉を開けたまま、
リビングの床に座ると目の前のTVを点けた。

我が国のえらいなんたら大臣が発表した映像が流されていた。
昨日正午との記日が画面の左下に記されている。
僕が彼女と浴槽にいた時間あたりの発表らしい。
音声を聞くため、左耳にだけTVから延びている
ヘッドフォンを突っ込んだ。

「住民の皆様は外出を控え、しっかり戸締まりをして、
くれぐれも変異体には近づかないようにして下さい。
また、指定された避難所へ移動の際は
誘導員の指示に従い、行って下さい。」
昨日から特に変わりない内容…。
この時点では変異体と呼んでいたのか…
TVでは始めはっきりと“死体”と言っていたけど
その後、確か“彼ら”と呼んだりもしていた。
公には死体とは認識していないのか?

「変異体は何らかの伝染性病原体に感染している恐れがあります。
噛まれて変異体と同じ発症したと報告もあり、非常に危険です。
噛まれた場合は至急医療機関で応急処置を行って下さい。」
応急処置と言っても原因が分からなければ
治療する事も出来ないだろうし…どうなんだ?その辺…。

「原因は目下、調査中であります。判明し次第、報告致します。
また、変異体の生死についても究明を急いでおります。」
今だにこの放送が流されていると言う事は昨日と状況は
殆ど変わっていないと言う事なのか?
TVの画面は避難所の記された文字だけに変わった。
事務的に読み上げるアナウンサーの声が耳に入る。
チャンネルを変えるがどこも同じ様な放送。
緊急事態を伝える現在の状況を知りたいが、これでは
何も判らない。…これと言って情報が更新されていないの
かもしれない。唯一、男性アナウンサーが画面に映るチャンネルを
見つけ各自治体が自衛手段に出ているとの映像が紹介されていた。

ある地域では道路に車や家具でバリケードを作り
やつらの侵入を阻止し、住民達はなんとかして
バリケードの内側にいるやつらを捕まえては、
一体一体ショベルカーでバリケードの外へ放り出している…
そんな映像だった。こうして町内ぐるみで一画を生活の拠点に
するのは、多かれ少なかれ行われているだろうとは思っていた。
生死すら判明されないやつらを人として扱うのか、
害獣として処分してもいいのか…対処方法も伝えられない現状には
最も有効な手段に思えた。これ以上一般人に何が出来る?
映像に映し出された人々の行動力に少し羨ましいと思えたが、
こう言った地区へはやつらが集中して集まりそうな気もした。

続けてアナウンサーに読み上げられた原稿は
海外のいくつかの都市で、やつらに対しての攻撃禁止命令が出された
らしいとの情報だった。それと同時に流された、
とある国から届いた映像…銃弾をやつらに撃ち込んでいる様子が
映し出されているが、やつらは頭だろうが心臓だろうが
いたる所に銃弾を受けていながらも一向に進行が止まる様子は無く、
むしろ逆に進行を激しくしているかのようにも見えた。
…なんてところだ?ここは。どこの国からの映像?
…足がもげる程 銃弾を喰らった奴が見え、その中では
かろうじて突進の勢いが緩む状態を感じさせていた。
やつらの進行を止める事は出来そうにないが進行を遅らせる方法は
やはりは足を切断するかのが今一番てっとり早そうに思えた。
…しかしそれも許される行為なのかは、僕には判らない。
さらに画面には上半身を打ち砕かれたのか、
“下半身”だけなのにのろのろと人間に突き進む姿が映し出されていた。
なんだ、これは!! その下半身は人間を攻撃できるのか?
…映像は終わりそれ以上は映されなかったが
無性に気になった。

「やつらは止まらない!! 何をしても、止まらないんだ!!!」
村瀬の言った言葉と重なる…。
死者の猛攻…ただ生者の息の根を止める為だけに向かう姿だろうか…。

惨い映像だった…人の姿をしたそれの受けていた攻撃は
人の姿をしているが故に強烈に惨たらしい印象を受けさせた。
攻撃禁止命令は海外でも人か否か決めかねた現れなのだろうか。
禁止命令については詳しい事が分り次第、続報を伝えると
アナウンスが付け加えられた。
ニュース番組は再び同じ原稿が読まれ始めたので、
暫くはチャンネルを変えつつTVを見ていたが
目新しい情報は無いとあきらめるとTVを消し、
情報収集の為にと父親の書斎にあるパソコンの下へと向かうと、
昨日ウェブニュースで見つけたバラバラにした遺体でも動いている
という情報を思い出した。

さっきのTV…
分断された部位が動き続けているという事実を映像でも確認した。
分割を続け、例えばミンチ肉の様な状態にしても、まだ動き
続けるのだろうか?…更には、バラバラにした体を
元の位置に縫合した場合、再び体の一部として機能するのかと
言う事も知りたいと思っていた。

…理由は一つ。
彼女の無くした左腕をみつけ、
縫い合わせれば、
元のように動くのか…?

…叶うならば……。


(続く)


第16章へ。


さて、遂に夜が明けてしまいました(笑)
2日目は何が起きるのでしょうか?!
以前、父親が帰ると予告しましたが
その件以外のエピソードは考えていません!!!
とりあえず、痛み止め飲ませましょうね。
次回は月末投稿予定。では、また!!!

追記。
まだ、過去投稿分の黒字指定は外しきれていません。
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