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自作ゾンビ小説の草稿投稿中。
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いらっしゃいませ。


自作のゾンビ物語の草稿を投稿中です。
予定では4日間の出来事として書いて
いますが3年も経つと言うのにようやく
3日目。それでもめげずにやって来れた
のは読んでくれる方がいらっしゃるから
こそと感謝しています。今後も感想なり
コメント頂けますと非常にやる気と
励みになります。宜しければ一言でも
添えて頂けますと嬉しいです。
自作ゾンビ物語。
[portrait of the dead]

めざせ!! ゾンビ小説家!!
ゾンビが好きすぎて自作のお話なんか
拵えております。なにぶん素人の
書く物語なので大目にみて下さい。
「ゾンビと暮らす。」(仮)→目次
スペシャル企画。
不定期更新
◆ZOMBIE vs. BABY◆


「生ける屍対赤児/目次」
「産まれて間もない新生児」と
「死して間もないゾンビ」との比較検証。
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南瓜金助 (みなみうりごんすけ)
性別:
男性
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別HNカボチャスキのお送りします
来た人だけが知っている秘密の部屋。
言うに洩れずホラー映画が好きです。
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[portrait of the dead]




線路は谷間を抜け、辺りは民家と畑が入り交じった景色と変わった。
やつらの数も繁華街で見た数よりは少なくなって来ていた。

彼女の重さは50キロ弱とは言え、先を急ぐ足に堪えて来た。
線路脇に並べられていた工事の為と思われる石壁に使う様なブロックの
コンクリート塊を見つけると、周囲を気にしつつそこに腰をかけ
休憩を取った。目の前には鉄製の柵が見え、その先には線路と並走する
道、更に先に畑がありその畑の中には一体のやつらを確認した。
10メートル程先にいたそのやつも僕に気が付いた様で僕に近づいてくる。
畑を抜け道路を横断し僕に歩み寄って来たものの、やはり線路脇の柵を
越えてまでは迫って来なかった。やつは柵の外から僕をじっと見ている。
50歳くらいの女性、畑仕事をしていた時の姿のままだろうか…彼女や
両親の姿以外でマジマジとやつらを観たのは初めてかも知れない。
僕の目の前にいるかつての生活感を纏った死人は僕に向かって首を傾げた
様な素振りを見せ、なぜ線路敷地内に僕がいるのか疑問に思っているよう
にも観えた。本当に危険行為を認識し僕の方こそが危ないヤツだと考えて
いるようにしか思えなくなって来る。

歩いていた時は気が付かなかったけれど、背負った彼女のヘルメットを
被った頭が僕の肩越しから僕の喉を狙っているのが判ったので、ふと急が
なければと思い、立ち上がる。僕の進む方角からゆっくりと近づいてくる
電車が遠くに見え、その電車をやり過ごしてから進もうとまたその場で
腰を降ろした。

電車が近づき、運転席が見える程になると、先頭車両の裾付近には
いたる所に飛び散ったであろう血が付いているのが見えた。光沢を放ち
まだ付いてからそう時間が立っていない様な血の跡に、僕の進む先の駅
ではやつらがホームでたむろしていると言う話を思い出した。脱線は
免れたという様子だろうが電車は明らかにやつらを轢いている。
線路上にはバラバラに轢き千切られた死体が散乱しているに違いない。
その駅を通り抜けるには相当な危険が待っている事を物語っていた。

電車は警告音を響かせ僕の脇をゆっくりと通過していった。
僕は再び立ち上がると、駅に向かって歩き始める。
その駅がどんな様子で一体何が待ち受けているのか考えながら。



僕の家から次に向かう駅まで普通に公道を歩いて向かうと約15分くらい。
彼女を背負いながら、足場の悪い線路敷地内を休み休み進んでいれば
いつもの倍以上は時間がかかっている。

前方に駅が見えて来た。
警戒しながら駅に近づく。
様子が伺えるくらい…駅手前50メートルまで進み線路脇に立ち止まる。

いる。
やつらが駅のホームに、確実に、ウジャウジャと。

駅は、登り線下り線の二つの降車ホームが2車線の線路を中央に挟む形。
不揃いではあるがホーム上黄色い線の内側で、列車を待つ客のように
確かにやつらが立ち並んでいる様だった。中には黄色い線を越えホームの
縁まで出て移動するやつもいて、足下がおぼつかず当然線路に落ちそうに
なっていたりする。降車ホームの下には所々、血の流れた様な跡。目を
凝らしよく見るとバラバラになったやつらの体がウジ虫のように小刻みに
蠢いていた。話に聞いた通りだった。このまま進んで善いものか考える。

大丈夫か?このまま歩いていって…?
あの家族は二つの線路の中心を進んで無事だったと言う話だが…。

僕は視線をずらし、線路に並走している道路を見た。
道路上にやつらの姿は点々とあるものの、そこを駆け抜けられそうな印象
を持つ。しかし進む方向に視線を走らせると、僕の位置からは駅のホーム
に遮られてしまい、駅のその先の道路の様子が全く解らなくない。

ならば、真っ直ぐ進むか…

2車線の線路の真ん中をひたすらまっすぐ視線を走らせる。
こっちの方が視界が開けているのは明らかだった。

やつらが線路敷地内と同様に、駅のホームから落ちる事が危険だと
認識していれば安全に進めそうだ。ひとつ判らないのはバラバラに
轢き裂かれたやつらの部位にもそう言った危険だと言う認識が反影され
ているかどうか…。見た所、バラバラ死体は線路中央には一つもない。
どう言う訳か判らないが危険認識が反影されているようで全て降車ホーム
の真下で蠢いているものばかりだった。それらバラバラ死体の動きは
尺取り虫が移動する時と同じ様な速度。追いつかれない様にすり抜けられ
れば、線路中央を真っ直ぐ突破するのが一番安全な進行方向に思えた。

僕は立ち止まっていた線路脇からレールを跨ぎ2車線の線路中央へ移動し
ホームを眺めた。膝くらいまである標識の様な障害物がいくつか見える
けれど避けて通れない程じゃない。

一歩踏み出す。

僕は意を決し、両側でやつらがたむろする駅ホームの中央を突破しようと
歩みを進めた。あの家族もそうした様に僕も同じ方法で進むのが良さそう
だと判断した。

駅まで30メートル、20メートル、5メートル。
数体のやつらは僕に気が付きこちらに視線を送る。
どのやつらの表情も僕には怪訝な顔つきに見えた。
今の所、駅に落ちてまで僕に向かって来ようとするやつは見えない。
ホーム内に入った。バラバラになったやつらの体にも注意しながら
刺激しないようにと思い落ち着いて進む。ホーム中央。ここでやつらの
集団が僕に向かって一斉に進み始めホームに落ち大挙して進んで来たら
逃げ切れるだろうか…。やつらの動向に注意しながら足下も確認し
障害物を避けつつ進んだ。右側、血だまりに蠢いていたバラバラ死体の
一つ、腕らしき一部が少し跳ね僕との距離を縮めて来たが、腕の一部が
レールに触れるや怯んだ様に後ずさりしたのが判った。判断能力がある
んだ…部位でさえ。それがかつて人であったものの死だと主張しているか
のように目に映る。聞いた話、人間の体には脳以外に記憶を持っている
細胞があると言う。このバラバラ死体が見せた判断はもしかすると
そう言った事が事実なのかも知れないと思わせた。

まだ駅中央。そこからは特に背後も注意しながら進まなければならない。
やつらの視線は殆ど僕に向けられていた。集団で僕を凝視し続けている。
僕の後方、その中の一体がバランスを崩しホームに落ちると、続けざまに
5、6体落ち始めた。あまりの光景に、襲い来るかも知れないと思考力が
一瞬無くなり、もう危険としか思えなくなってしまった。急いで前方を
確認する。ホーム内を抜けるまであと5メートルとなったその先に、
足下を遮る障害物も無くなっていると判ると僕は小走りしていて、
勢いがつくと一気にホームを駆け抜けていた。

走り出してから後ろを振り向かずに2、30メートル。
前方は見通しのよい線路だけ。背後の様子を確認しなければとホームの
方へ振り返ると、特にやつらが追って来る様子も無く、線路上に落ちた
やつらは動作は遅いものの線路を避けるように移動し、まるで避難して
いる様にも見えた。

なんとか無事にやつらの大挙していた駅ホームを通り過ぎた。
安堵したのか、何故か「ははは…」と笑い声を出していた。電車が来た時の
用心の為、線路脇に移動しながら歩く。次に向かう駅が彼女の実家近くの
最寄り駅。歩きながら息を整えつつ進んだ。


辺りの景色は畑が無くなり民家が多く現れ始める。やつらの姿は無く
静まりかえっていた。右側に学校の校舎の様な建物が見え、あの家族は
きっとここから逃げて来たに違いないと思い出す。危険な連中の話が
気にかかっていたので動くものは無いかと警戒しながら足を動かした。

校舎の真横を通ると、屋上に人影がないか目を凝らしてみる。
何もいない様だ。危険な連中も用がすんだと判断したなら、
次のターゲットを探す為にすでに移動したのかも知れない。
校舎の脇には用具入れと思しきトタン屋根の簡易的な掘建て小屋が
建てられていて、校舎と小屋の隙間から校庭の様子が僅かに見て取れた。

校庭は土で出来た運動場ではなく、アスファルトの様なもので舗装された
感じだった。全面を緑色のペイントで塗られ、白線が張り巡らされている
だろう。しかし太陽の光に照らされた校庭は、渇いた血の海のどす黒い赤
を目に飛び込ませ事態の凄まじさを物語る。ここが救世主とも呼ばれた
二人の男にバラバラにされた死体達がひと塊になって蠢いていた場所
だろう。体育館が襲われた際に、被害にあった人も多くいたと言う話
だったけれど、バラバラに解体された筈の死体もやつらと化したであろう
被害者の姿も全く何も見当たらない。

そう言った大勢のやつらは一体何処に?

校舎を横目に線路を進むと、両側は民家の建ち並んだ景色へと戻る。
風にまぎれ微かに漂う臭いを感じた。やつらから発せられている
一週間貼り続けた絆創膏を嗅いだ時の様な臭い。間違いなくやつらは
どこかに必ずいるんだ…。進行方向に踏切が見えたので注意して辺りを
見渡すが、この踏切はさっき横切った踏切とまるで違い、誰一人渡って
来る様子も無い。とは言え、線路敷地内では唯一やつらの渡れる道。
慎重に進む。臭いが次第に強くなって来ているのを感じた。
どこだ?…どこに潜んでいる?…近くに必ずいる筈なんだ。

踏切に近づく。
線路上を横切るアルファルト道路を確認。
道の左右を確かめながら進む。
今の位置からだと遮断機のその先は民家に遮られて判らず。
さらに慎重を期して歩く。
民家に遮られ見えなかった遮断機の先の道が見え始める。
みしみしと木がきしむ音が聞こえ始めた。
進む足の速度を緩めながら音の聞こえる右側2階建ての民家に
視線を送る。

踏切のアスファルト道路目前にして
2階建て民家の先に何かが観えて来た。
次第にそれがなんだか解る。
臭いの原因もこれに違いなかった。

高さは2階建て民家程に大きく、形状は丸に近いそれ…

立ち並ぶ民家に挟まって道路を進めなくなった巨大な血まみれ肉団子。

…やつらの塊だった。






(続く)



第30章へ。

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