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自作ゾンビ小説の草稿投稿中。
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いらっしゃいませ。


自作のゾンビ物語の草稿を投稿中です。
予定では4日間の出来事として書いて
いますが3年も経つと言うのにようやく
3日目。それでもめげずにやって来れた
のは読んでくれる方がいらっしゃるから
こそと感謝しています。今後も感想なり
コメント頂けますと非常にやる気と
励みになります。宜しければ一言でも
添えて頂けますと嬉しいです。
自作ゾンビ物語。
[portrait of the dead]

めざせ!! ゾンビ小説家!!
ゾンビが好きすぎて自作のお話なんか
拵えております。なにぶん素人の
書く物語なので大目にみて下さい。
「ゾンビと暮らす。」(仮)→目次
スペシャル企画。
不定期更新
◆ZOMBIE vs. BABY◆


「生ける屍対赤児/目次」
「産まれて間もない新生児」と
「死して間もないゾンビ」との比較検証。
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南瓜金助 (みなみうりごんすけ)
性別:
男性
自己紹介:
別HNカボチャスキのお送りします
来た人だけが知っている秘密の部屋。
言うに洩れずホラー映画が好きです。
憧れの人はフック船長と芹沢博士に
スネーク・プリスキンとDr.ルーミス。
彼らに多大なる恩恵を授かりました。
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[portrait of the dead]


懐中電灯で照らされた闇に浮かぶ彼女の顔を見ていた…
6畳程の両親の寝室は雨戸を閉め切っているために
外の光は入っては来れず、当然真っ暗だ。
そこへゆっくりと足を踏み入れ進む彼女の顔を
僕は彼女の真向かいの壁に背をもたれじっと見ていた。

右手を前に出しているのか時折光が当たり
チラチラと目に入る。彼女は真っ直ぐに僕の顔を見据え
僕を喰らおうと脇目も振らず向かって来る。
彼女を連れて来てしまってから彼女の顔には
噛まれないようにと常になにかしら付けられたいた。
彼女の真顔をこんなに堂々と見たのはきっと
人生の中でもこれが初めてだろう。
可愛らしい。死んでいるのに。

彼女がベッドの横脇に到達すると、少しつんのめった。
僕は我に帰る。…いけない、見とれている場合じゃなかった。
どうするんだ?そのままベッドを登って跨ぐ?
それとも、輪郭に沿ってこちらへ来る?
例え右腕しか無くてもその力は僕の握力より
遥かに凌いでいる筈。昼間、彼女に掴まれた腕には
きっと痣がはっきりと見て取れるだろう。
彼女が僕の1m先まで近づいて来た時
僕はその腕を交わし、ベッドを跨いで
この寝室から出なくてはならない。

彼女はベッドに右腕を付くとある筈の左腕を前に
出したつもりで進むが、無い左腕は彼女の体をささえる事はなく
彼女の顔をベッドに突っ伏させてしまった。
それでもゆっくりと体を動かしベッドに上がり込んだ。
ベッドにうつ伏せに寝そべった姿の彼女を見て僕は
これだ!!、と急にひらめき、懐中電灯を口にくわえると
僕はベッドに掛けられていた毛布と布団の端を掴み
彼女に巻き付けていた。これは使えるかも!!
彼女をまるでのり巻きを巻くようにくるみ始めると
僕はベッドに乗っていた2つの枕を放り投げ、
シーツの角と角を掴んでのり巻き状態の彼女をそのままくるみ
持った両角を頭の方で結ぶと、同じように足の方でも結んで
2ヶ所で縛り止めた。のり巻きに大きなリボンが2つ。
口から銜えた懐中電灯を外す。のり巻き締めは気が付かなかった。
彼女の頭の天頂部と脹ら脛から下の足が、巻き付けられた布団の端から
飛び出している。ゆっくりともがいている彼女が布団を裂いて
出て来れそうもないのが判ると僕からホッとため息が出ていた。
先程ぶつけた彼女の頭の確認をする。髪をかき分けながら頭を見たが
傷もなく何ともない様だ。生きていたらコブでも出来た筈。
ここまで歩いて来た様子から転んだ時の怪我も無さそうだった。
…まぁ、よかった。
彼女は僕の方を向こうとしているのか、天頂部がもぞもぞと
動いているがうまく顔を出せないらしい。そんな彼女を見て
ひと安心したのか、僕はその場へ座り込んでしまった。
懐中電灯の光を彼女の天頂部に当てたまま
暗い部屋で深く息を吸い…吐いた。

…こんな日が来るなんて誰が信じただろう。
今日、朝、突然死体が動き始め、
生きている人間を喰いあさり始めたんだ。
まるで死者の世界に人類がごっそりと落っこちて、
生を異物とし駆除されるかのように。
人類史上変わる事のない筈だった死の常識はあっさり覆され、
昨日までの死は今日からは存在しなくなってしまった。
人類が生き残れば今日は確実に歴史的な記念日と語られるだろう…。
やつらをなんと呼ぶ?死の認識は変われど、死と呼ぶままだろうか?
母さんも友達も死んだ…死んで、動き回っているだろう。
下半身がない姿で…。血まみれの姿で…。
好きな女の子だって死んで目の前にいる。

しかし転ぶとは…なんかいろいろと…焦ったよ。
こう、暗い中では何をするにも難しいだろう。
今日はもうこの状態で過ごした方が良さそうだ…
明日、明るくなり始めてからだな。
…明日?そうだ、父さんが帰って来るかもしれないんだった。
そうだよ、その前に彼女をどうするかも考えておかないと。

のり巻き状態の彼女が身動きが出来無いと判ると
僕はゆっくりと立ち上がり寝室を出て、
中から寝室のドアが開かないようにとソファーを
ドアの前に移動させた。万が一の事を考え、
ドアノブにはガムテープでバットを括り付け閂代わりにした。
…ガムテープを使い切ってしまった。
確か、僕の部屋に使いかけが1本あった筈だ…。
確認しておいた方がいいだろう。

廊下に出ると脱ぎ捨てたジャージーのズボンを拾い、履き、
エリザベスも拾った。自分の部屋へ向かおうと階段を上るが
急に足が重く感じて、一段一段ゆっくり確かめるように登っていた。
部屋のドアを開けると外からの明るさに気が付き、懐中電灯を消す。
外からの街灯の明りだけで充分に内装は見えた。
左手に持っていたエリザベスをベッドの枕元に
フリスビーを投げる要領で飛ばす。自分の部屋は窓に新聞紙はない。
…だから彼女へのエリザベスの使用が是か非かを確認出来ないからと
彼女を背負いリビングへ向かったんだ。…危なかった。
そう思うと安堵のせいか口元が緩んだ…その途端に、
僕は足下にあった何かを踏みつけ転びそうになって、焦る。
明りが漏れるのを注意するため手で明り面を被いながら
懐中電灯を点けると、指の隙間から漏らせた明りだけで
足下を確認した。…マジックペンだった。僕を転ばそうとした正体は。
“太・細”と両端にペン先のある黒のマジックで
“太”の方のキャップが外れ芯がむき出しになっていた。
何故?…踏んだ拍子に外れたのか?
周辺にキャップは見当たらず、探すのを諦め、懐中電灯を消し、
ベッドの脇にある学習机に置いてある筆立てにさそうと思い
机に向かった。カーテンの隙間から洩れる外の街灯からの光は
学習机の机面を照らしていて、僕の目に
マジックペンの芯の謎を飛び込ませた。
あまりにも幸せそうなその机に呆れ返って、
僕はベッドに仰向けで倒れ込んだ。
ははは…なんだよ……やられたよ。まさか、こんな事を…。
気が抜けてしまったのか、僕はそのまま眠り就いてしまった。

ブルルルルル…ブルルルルル…ブルルルルル
ジャージーのズボンのポケットに入れっぱなしの
携帯電話のバイブで起こされ、僕は慌てて携帯を取り出し、
電話に出た。…メールだ。差出人は…彼女。…彼女?何故?
僕の携帯メールアドレスなんか知らない筈だぞ?
その前に彼女、死んでいるんじゃ…?
不審に思うもメールを開くと、画面一面に書き込まれた
ピンクのハートマークの絵文字が何十個と輝いていた。

…悪い夢じゃない。

彼女が机にマジックで書きこんだ、
沢山のハートマークのせいだろう…。


(続く)

第15章へ。

お…終わりました…これで、1日目終了です。
前回はここまで書きたかったのですが。
お疲れ様でした、自分。
…いやいや、まだあと3日分は書かないと、
終わりませんて(笑)
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はやっ!
前回からかなり早いですね、ネタを考えてたからかな?


一つ区切りがついたようで安心しました(笑)でもあと三日間もあるんですね、頑張ってね。

海苔巻きという新兵器も出来、この先の展開も楽しみ、他の人の動向も気になるところです
ももちん 2009/04/01(Wed)12:55:13 編集
>ももちんさん
コメントも、はやっ!!(笑)
また、甘ったるいって言われるかとヤキモキ。
甘ったるいのは事実ですからねぇ(笑)
もう、ずっと甘ったるいですから(苦笑)

ネタは本当に出来ていたので、
あいた時間にチョコチョコと書き貯めていたら、
ひとまず終わっていました。

まだ、しばらくはお付き合いの程…宜しくです。
カボチャスキ 2009/04/01(Wed)13:21:43 編集
おおっ
いい引きですなあ。
次回も楽しみです。

あと今後もしサイトデザインを
変更される予定があったら
本文の文字色変更を検討してください。
濃い灰色背景に黒文字は
ちょっと読みづらいかも。

では次回も楽しみに待ってます。
玉割 URL 2009/04/01(Wed)14:42:03 編集
>玉割さん
引き、よかったですか?
それならこちらも嬉しいです。

黒字、読みにくいですか。
書いてもらわないと判らない事でした。
後日、全ページの黒指定外しておきます。

それと、玉割さんのゾンビ小説、拝読いたしまして
感想掲示板から投稿したのですがエラー表示で
ウチのPCからでは無理みたいです。ごめんなさい。

なので、ここに書いちゃいます。

ちょっと変則風ゾンビ小説ですね。
新宿の繁華街に湧き出るゾンビ群は非常に街と似合いそうです。
誕生こそは既に死への始まり、死者の夜明けと重なるイメージは
頬を緩ませてくれました。機会がありましたら
またゾンビ短編を紹介して下さい。
カボチャスキ 2009/04/01(Wed)15:45:49 編集
そりゃ早いですよ
しょっちゅうチェックしてますからね


あのね、勘違いしないで下さいね、面白いと思うからこそ「もうちょっとこう、なんとか」と思ってしまうわけです。


そんなこんなを含めて次回作は本格ホラーを期待してます(笑)
ももちん 2009/04/01(Wed)21:30:19 編集
>ももちんさん
貴重なご意見ですので、いつも心して読んでおりますよ。
小説書くのなんて初めてだし、いつも有り難う御座居ます。
じ…次回作?本作も終わっていないのに…いつになる事やら(笑)
書くにしても本作の出来や反応次第でしょうね。(笑)
まずは、これを完成までがんばらないと。励まし宜しくです。
カボチャスキ 2009/04/02(Thu)01:42:19 編集
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