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自作ゾンビ小説の草稿投稿中。
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いらっしゃいませ。


自作のゾンビ物語の草稿を投稿中です。
予定では4日間の出来事として書いて
いますが3年も経つと言うのにようやく
3日目。それでもめげずにやって来れた
のは読んでくれる方がいらっしゃるから
こそと感謝しています。今後も感想なり
コメント頂けますと非常にやる気と
励みになります。宜しければ一言でも
添えて頂けますと嬉しいです。
自作ゾンビ物語。
[portrait of the dead]

めざせ!! ゾンビ小説家!!
ゾンビが好きすぎて自作のお話なんか
拵えております。なにぶん素人の
書く物語なので大目にみて下さい。
「ゾンビと暮らす。」(仮)→目次
スペシャル企画。
不定期更新
◆ZOMBIE vs. BABY◆


「生ける屍対赤児/目次」
「産まれて間もない新生児」と
「死して間もないゾンビ」との比較検証。
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南瓜金助 (みなみうりごんすけ)
性別:
男性
自己紹介:
別HNカボチャスキのお送りします
来た人だけが知っている秘密の部屋。
言うに洩れずホラー映画が好きです。
憧れの人はフック船長と芹沢博士に
スネーク・プリスキンとDr.ルーミス。
彼らに多大なる恩恵を授かりました。
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↑序章はコチラから。

[portrait of the dead]

名前を、荒木理子という。
高校2年生、3組出席番号51番。クラブ活動は写真部に在籍。
目立つ生徒ではなく、どちらかと言うともの静かで
おとなしい性格だったと思う。
身長は161センチとそう高くはないが、
透き通る様な白い肌と細身の体つきが存在感を際立たせていて
隠れたファンが多いと言われていた。
言うにもれず、僕もその内の一人だったわけだ。

そんな彼女の見るも無惨な風貌……。
目の前に存在するその姿は、血まみれでうつろな目つき、
口元を半開きにし顎は上下に動いていた。
彼女は僕に掴み掛かろうと、腕を伸ばしゆっくりと歩み寄る。
僕はよけるの繰り返し。
その残された右手を掴み脈をとっても本当に反応は無いのだろうか。
目の前で動いている存在なのに実際に死んでいるのだろうか。
左腕の無い姿、無表情とも言える顔つき、
血まみれのブラウス、下半身は下着姿に膝上の靴下、上履き…。
その異様さは、かつての可愛らしさの片鱗を覗かせもする事に、
悲しみを通り越し、見てはいけないモノを見てしまったという様な
罪悪感に近かった。

彼女をこのままにはしておけない…。
校庭のほぼ中央の位置で晒されている残酷…。
僕は、ジャージーの上着を脱ぎ、それで彼女の頭をつつみ、
両袖で首の辺りをくくり、口元で袖口を縛る。
咬まれてはいけないと、TVの報道でもそう言っていた。
こうしておけば咬まれる事は無いだろう考える。
春が訪れているとは言えまだTシャツ姿は寒かった。
目の前を塞がれ戸惑ったのか、
彼女はバランスを失い足下をふらつかせ、その場に倒れ込んだ。
僕は屈んで彼女を掬い上げ左肩に担ぎ、
左手で彼女の腿の辺りをしっかりと締め、
バットを持った右手を彼女の腰にあて、立ち上がる。
気付けば、校庭にいた残り4人の血まみれの人達に囲まれる寸前だった。
…その距離半径5メートル強…危うい。
彼女を担いだまま、僕は入って来た校門へと小走りに向かい、
門を少し開け、外に出て門を閉めた。
門を閉めておけば、これ以上の侵入は防げるだろう。
ふと思った…校舎に残った人達は僕の行動をどう思っただろうかと。
彼女を担いだまま、点在する血まみれの人達を横目にしながら、
家路をひた走った。視線が合っても彼らの行動は遅く、
幸いにも追いつく者はいなかった。
家はすぐ目の前という所の通りに差し掛かった時、
5、6人程の血まみれの集団がひと塊になり
人一人に食らいつき、食べ散らかしているのに気付く。
辺りは血の海…思わず足を止めてみてしまったが、
敷きちぎられた腕や足、内臓も見て取れた。酷い。
喰われている者はされるがままで何の動きも見せない。
死んでいるのか?ならば当然、化物と化し動き始めるのも
時間の問題かもしれないが果たして喰いちぎられた姿で
どこまで動き出せるものなのか想像がつかない。顔を確認しようとしたが
喰うのが忙しい血まみれの人達によって遮られて見えなかった。
吐きそうな衝動に駆られ、それ以上見るのをやめた。
今ここで吐いては隙だらけだ。気付かれるのもまずい。
嘔吐を耐え、家の玄関に飛び込む。
彼女を抱えたまま壁に肩を当て寄り添い一息つく。
身震いするのを感じた。

本当に喰っていた…。

慌てて家を出たので家に鍵を掛けていなかった事に気付き、青ざめる。
担いだままの彼女はもぞもぞと足をばたつかせていて
それを動かない様に押さえ込む。
2、30秒玄関のドアを背にジッとして、ゆっくりと行動を起こす。
人の気配は無い。両親も帰ってはいなかった。
玄関の鍵をかけ、バットは下駄箱の脇の戻し、
玄関の下駄箱の上にある電話機に目をやる。
留守電には何もメッセージは入っていない。
…生きているのだろうか、僕の両親は。
何らかの連絡があってもいい筈だと思った。
逆に、連絡が無いという事は無事ではないのかもしれないとも…。

僕は担いだ彼女をリビングのソファーに寝かせる。
彼女はゆっくりとジタバタとするがうまく立ち上がれない様子だ。
頭に被されたジャージーが嫌なのか取ろうとしているようだが、
片腕ではうまく外せないのかもしれない。
どうするんだ…彼女を家に連れて来てしまって
…誰が見たってこの状況はまずい事には違いない。
彼女の両親は心配している筈だ。
僕は彼女を誘拐してしまった事になるのかも知れない。
何れにせよ、そのままに見過ごす事が出来なかったんだ
…彼女の、あんな姿。

点けっぱなしのテレビではまだ緊急放送が続いている。
新しい情報と言ったら、自宅にいるのが不安な人の為に
避難所として開放された学校や体育館等の施設へ
地域の警察や消防等の指示に従って移動を開始した所があり、
その地域の名称が流され始めたくらいだ。
僕の街の名前は無く他の情報は変わりがなかった。
ただ、近づくな、咬まれるな、では、歩く死んでいる人達に対し
どう対処してよいやら判らないままだ。
とは言え、死んだはずの人間を殺す事は出来るのだろうか?
だとしても、人々は人の姿をしたやつらを殺せるのだろうか?
…そんな疑問が頭をよぎる。全く解らない。情報も無い。
僕は彼女の残された右腕の手首をそっと掴み、脈をみた。
今気付いたのだが、手首は冷たく人の体温では無かった。
脈も…無い。さらに彼女の胸に耳を当ててみるが
心音も確認出来ない。肺に流れる呼吸も無い…。
となると、彼女もやはり死んでしまっているのだろうか。

…何故、こんな事が。


彼女の服に着いた血の臭いと
アンモニア臭がリビングに満ち始めていた。
このまま、臭いを放ち続け腐って行くのだろうか?
とにかく血まみれのままジャージーを被せておくわけにも
いかないだろう。リビングの隣のキッチンの換気扇を回し、
彼女を見つめる。洗わなくてはと決心する。
子供の頃遊んだボールがあるはずだ、
ビニール製の黄色い蛍光色の10センチくらいのカラーボールが、
下駄箱のバットが置いてあった所に。
彼女の行動に目をやり今は安全だと判断して、
ボールを取りに玄関脇の下駄箱へ向かう。ボールはあった。
掴んでリビングに戻ろうとした。
下駄箱の上の電話機がけたたましく鳴った。

「うわぁ!!」 突然の目の前の電話機のベルに驚き大声を出してしまった。
慌てふためいて受話器を取り耳に当てる。
「もし…もし…」 緊張し辿々しくなる答えた。「宏幸か?」
電話の相手は父親だった。「と…父さん、無事なの?」
「ああ…やっと繋がったか。お前は大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ、怪我もしていないし、咬まれてもいない。」
「一体何が何だか…お母さんは、いるのか?」
「いや、何の連絡も無いよ。」
「…そうか、無事だといいが。」
「今、まだ会社にいる。駅へ向かったが人身事故があった様で
電車も止まっていて、会社に引き返して来た。
大通りは何処へ向かうのか兎に角逃げる人の車で渋滞している。
なるべく早く帰ろうと思うが、それまで一人でがんばってくれ。」
「…あ、う、うん、僕なら大丈夫だよ、
家にいればとりあえず安心だろ?」、そう言った途端、
リビングで瀬戸物の割れたような音がした。
ガシャーン!!
「宏幸?何だ?今の音は…本当に大丈夫か?」
「う、うん、何の音だろう、見て来るよ。切るね。」そういい、
受話器を置く。「気を付けるんだぞ。」
切れる寸前の受話器からは父親の声が漏れ、通話は切れた。

手にはバットとボールが握られていた。
ボールはジャージーのズボンの左ポケットへ。
バットの柄の部分を両手でしっかりと握りしめリビングへ向かう。
しかし、彼女が襲い来たとして、殴れるものだろうか。
たとえ殴れたとして、危険を回避するのに
いったいどれくらい殴り続ければ、動きを止められるのか…。
不安な考えしか浮かばない。僕はきっと、彼女を殴れない。
リビングへの入り口へ向かう。
壁沿いに入口から顔を半分程出しリビングを覗かせる。
彼女はジャージーを被らされたまま立ち上がりフラフラと歩いていた。
その足下には戸棚から落ちた花瓶が落ち、割れていた。
戸棚にぶつかった拍子に転げ落ちただろう。
幸いとでもいっていいのか、
彼女は学校の上履きを履いたままだったので、
割れた破片でこれ以上傷つく事は無かった。胸をなで下ろし、一息つく。
「よかった…」 ふと口から出た言葉に、
言ってから少し可笑しくなって口元がゆるんだ。
彼女がこんな状態なのに何の心配?
でもこれ以上傷を負わせたくはないのは確かな気持ちだった。

バットはリビングの入口の壁にもたれかけ、
彼女を抱え上げようと横から近づくと、急にきびすを返し
僕の方へ片方だけの右手を伸ばし近づいて来た。
いかにも、ここにいる僕に気が付いたかの様に。
まさか、見えているのか?
それより、死体に視覚は維持されているのか?
嗅覚は?聴覚は?…五感は?僕は偶然と思い体を一歩左へ移す。
彼女の腕は右へ動き僕を追う。
判っているんだ、僕の位置が…どんな方法かは判らないが。
気味が悪いと思いつつも彼女を抱え上げ、再びソファーへ寝かせた。

…父親は無事だった。いずれ帰って来る。彼女をどうしよう…。
僕のこのおかしな事をしてしまっている状況…判ってはいる。
しかしどうあれ、言うなれば憧れの女の子と
ふたりっきりで過ごせる時間が、ここにある。
これは、悦びに近い。今、僕にはそれに勝る行動が思い浮かばない。
こんな時に、こんな事態なのに。

これが僕の真実。

咬まれた時の事を考え、軍手にゴム手袋をし、
長袖の服を2枚着てから、彼女に被せたジャージーをゆっくりと退ける。
彼女の血にまみれた顔が再び僕の目の前に現われ、
うつろな目は僕を捉え、右腕で僕の左腕を掴む。
口をゆっくりと開け僕に噛み付こうとしているのだろうか。
僕は左手で彼女のオデコを押さえ
右手に持ったカラーボールを彼女の口に押し込んだ。
大きくこじ開けられた彼女の口の中に入った黄色いカラーボールは
彼女の口元を今まで見た事の無いくらい内側から膨らませ、
彼女の整った顔立ちをゆがめる。
僕の左腕を掴んだ右腕が締め付け始める。
痛い…なんて力だ。この痛さはきっとアザになる。
もはや、女の子の握力ではない事も判る。…化物。

どうしちゃったんだよ…。

僕の左手は彼女の右腕を掴み、
右手を彼女の襟元にあて起き上がれない様に力づくで
ソファーに押し付ける。彼女の歪められた顔と異常な握力に、
突然僕を得体の知れない悲しみが襲い、ふと、
僕の目からは一筋の涙がこぼれ落ちていた。

(続く)

第2章へ。



イラストが完成したら表舞台に投稿予定なのですが。
タイトル通りとりあえず家に連れて来てしまいましたね。
なんだか危うい性格の展開になって来そうですが
どうなりますやら、見切り発車(笑)
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