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自作ゾンビ小説の草稿投稿中。
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いらっしゃいませ。


自作のゾンビ物語の草稿を投稿中です。
予定では4日間の出来事として書いて
いますが3年も経つと言うのにようやく
3日目。それでもめげずにやって来れた
のは読んでくれる方がいらっしゃるから
こそと感謝しています。今後も感想なり
コメント頂けますと非常にやる気と
励みになります。宜しければ一言でも
添えて頂けますと嬉しいです。
自作ゾンビ物語。
[portrait of the dead]

めざせ!! ゾンビ小説家!!
ゾンビが好きすぎて自作のお話なんか
拵えております。なにぶん素人の
書く物語なので大目にみて下さい。
「ゾンビと暮らす。」(仮)→目次
スペシャル企画。
不定期更新
◆ZOMBIE vs. BABY◆


「生ける屍対赤児/目次」
「産まれて間もない新生児」と
「死して間もないゾンビ」との比較検証。
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南瓜金助 (みなみうりごんすけ)
性別:
男性
自己紹介:
別HNカボチャスキのお送りします
来た人だけが知っている秘密の部屋。
言うに洩れずホラー映画が好きです。
憧れの人はフック船長と芹沢博士に
スネーク・プリスキンとDr.ルーミス。
彼らに多大なる恩恵を授かりました。
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[portrait of the dead]

やばいだろ!!! 噛み付かれたら!!!!

僕はとっさに右手で彼女の首を掴み、左手を彼女の胸元にあて
両腕を延ばし思いっきり彼女を押し返した。
その距離のを保ちながらなんとかゆっくりと起き上がる。
彼女は右腕1本で僕の左腕を掴んで来ているが
体重が軽かったので容易に起きる事が出来た。
危なかった。マウントとられでもしたらどうなったか。
とは言え、いまだ危ない。何かないか?何でもいい、
彼女に咬まれないようにするものは?
僕は彼女の首を掴んだまま押しのけつつ、辺りを見回す。
ベッドの上の枕が目に入り、左手で掴むと彼女の顔に押し当てた。
「ご…ごめん、ちょっと我慢してくれよ」思わず口に出た言葉。
彼女は枕に困惑したのか僕を掴んでいた右手を緩め
枕を掴もうとしたので、その隙に目に入った机の上の
携帯電話の充電器を手に取り繋がっていたコンセントから
コードを引き抜いて彼女の頭を枕ごとコードでぐるぐると巻き、
コードを彼女の後頭部で縛り付け、彼女をベットに倒し込んだ。

「はあっ…はあっ…はあっ…」

息も荒くなる。…危なかった、マジで。
僕は彼女から離れベットから数歩後ずさり彼女を見下ろした。
まさか口に入れていたカラーボールを咬み割るなんて思って
いなかったし、彼女と呑気に恋人気分に浮かれていて、
現状を忘れていた。…結果、顔が全く見えない。
「カラーボールより酷い有様じゃないか」
僕は再び学習机の椅子を廊下へ持ち出し
ドアの外で椅子を寝かせ中からは開かないようにすると、
階段を下りてリビングのソファーにドサッと腰掛けた。
全身の力が抜け、深呼吸し、大きなため息をつき気を取り直す。
なにか彼女に咬まれないようにするいいアイデアはないかと
辺りを見回す。まず目に入ったのは台所だ。
金物で柄の付いた直径25センチの程の笊が
流し台の脇のフックに掛かっているのに気が付き
近寄って笊を手にして、使えるかどうか想像してみた。
目が細かくて覗き込んでも微妙に透けているのが解る程度。
却下。出来れば顔を遮りたくはないな。再び辺りを見回すが
イメージ出来そうな物は目に入って来ない。
すると、気が緩んだのか、尿意を催したのでトイレへ向かった。
便座を上げ小便をし始めると目の前の小窓が開けてあり
右側3cm程の隙間からもう使われなくなったリルの犬小屋が見えた。
「首輪は却下だったよ、リル。折角借りたのにな。」
ふと、事故に遭って足をケガした時の事が頭をよぎった。
首輪の変わりにリルが巻いていたのはエリザベスカラー。
傷口を舐めないようにする為に着けた半円錐型の保護具で
エリザベス朝時代の人達が着けていた分厚い襟から来ているとの事。
僕の頬が笑みを浮かべる。「サンキュー、リル。いけるかも。」
トイレの小窓からはトントントンと何かを打ち付けているような
音が聞こえて来た。万が一を考え、中から何かで窓や扉を
開かないように打ち付けているに違いない。
隣の吉川さん家から聞こえる音に全員無事なのかな?と思う。
だといいけれど。ウチも何かしらで窓を開かないように
打ち付けた方が良いのかな?しかし両親は今だ戻らないし、
もうだけ少し様子を見ようか。小便を済ませトイレを出る。
外の様子も気になり始めたのでキッチンへ寄り、
流し台の上の磨りガラスの窓を5cm程そっと開け、
何か変化はないかとやつらに気付かれないように注意しつつ覗いた。

流し台の上の窓は外側から格子が張られていて位置も高く
やつらはここからは入って来られないだろう。
格子の窓から見えたやつらは2体、まさに目の前の通りに1体と
それから10mほど離れてもう1体、血まみれでふらふらと徘徊している。
やつらの行動から解っている事は人を喰らうこと、それだけ。
僕が学校から帰宅してシャワーを浴びた約30分の間に
爆発的に増えた事になる。思うに咬まれただけで
死亡し化物になるなんて誰も思わなかったせいもあるだろう。
それが事態を悪化させた要因かもしれない。
目の前の道路を見て思い出したが、
避難所への移動用の乗り物は来る気配もない。順調なのだろうか?
ふと10m程離れたやつらの一人をよく見るとなんと犬を散歩している!!
血まみれで顔もえぐられてはいるがおそらくは女性、
足下もおぼつかない歩みではあるが
確かに犬の散歩をしている!! ワケが解らない!!!
これ以上見ていたら頭が混乱して気が変になりそうなので
ゆっくりと窓をそっと閉め、気を取り直して
エリザベスを探す事にした。

エリザベスのやつ、いったいどこだろう?


買い取ったから結構高く付いた記憶がある。
易々とは捨てなさそうな金額だった気がする。
エリザベスと付くくらいだからなんとなく高級そうだし。
リルの物とは言え、医療用品だし救急用の薬箱が置いてある食器棚か?
ならばキッチンとリビングの境にある食器棚、その一番上段の
救急箱置き場が怪しい。…が、そこを探しても見あたらない。
救急箱で思い出し箱の中から包帯を3本取り出す。
彼女の肩に巻こうと思っていたんだった。
包帯をジャージのズボンのポケットへ突っ込む。
そうか、エリザベスはけっこうな大きさだったはず。
皿みたいだし、キッチンの流し台の下の鍋置き場臭い。
見つけた。鍋置き場にあった。あまり使わない為に
奥にしまい込まれた丸形のホットプレートの蓋の上に被さっていた。
手前の鍋を一旦外に出し、鍋置き場の奥からエリザベスを摘み出すと、
出した鍋を戻し鍋置き場の引き戸を閉めた。
エリザベスを改めて見ると彼女の首には少し大きいかも
しれなかったが試す価値はありそうだ。

流し台に左手をかけて立ち上がる。妙な気配を感じる。
目の前にあるさっき覗いていた格子窓に目をやると、
そこには人影の頭が見えるじゃないか!!
まずい、やつらが磨りガラスのすぐ向うにいる!!
僕は驚き、すぐさましゃがみ込んだ。
今にも大声を吐き出しそうだったが、必死に堪える。
磨りガラスで人影ははっきりとは見えないが明らかに
血まみれの赤だ!! さっき覗いた時にいたどちらかの
やつに気付かれてしまったに違いない。
なんて事だ、迂闊すぎた。鍋を移動した時の音も聞かれて
いたのか?このままやり過ごせないか?どうする?
僕は流し台の前で屈んだまま息をひそめると
トントントンと隣から音がする事に気が付いた。
その音に続くように、「ワンッ、ワンワンッ」
犬の鳴き声が流し台の壁越しに聞こえる。お散歩犬の方か〜!!
もしかすると、あれか?あの打ち付ける音にに引き寄せられたのか?
そうなら一時的にでもやめさせないとまずいぞ…
うじゃうじゃ集まって来たら手がつけられなくなる…
もし大群のやつらに攻め入られたらどうなる事か…
どうやって知らせようか…声を上げるのもだめ
音が出てしまう可能性のある電話もだめだ。
僕が1階から合図するのも無謀すぎる…2階から、どうやって?
一先ず2階へ向かおうとエリザベスを手にゆっくりと腰を上げ
こっそり階段を上り部屋の前のドアへ辿り着くと
ドアの前の椅子をどかした。エリザベスを持っていては
邪魔そうだったので廊下の端に置く。
彼女に括り着けた枕が外れている可能性も考え、
別の方法で彼女の口を塞ぐ事にした。Tシャツを脱ぎ
ねじって太いロープ状に見立て即席の猿ぐつわを作る。
両手で両端を持ち彼女の状態を気にしながら
ゆっくりとドアを開けた。部屋の中と彼女を確認する。
案の定、彼女の顔の枕は外れていてベッドの脇へ落ちていた。
…が、彼女も窓の外から聞こえるトントントンと響く音に反応し
ベッド脇の窓の前で閉まったままのカーテン越しに
音のする方を覗き込んでいる様に見えた。
僕は背後からゆっくりと音を立てないように近づく。
両端を握ったロープ状にしたTシャツを彼女の頭越しに前へ渡し
口に銜えさせ、急いで両端を彼女の後頭部で堅く縛り止めた。
彼女は猿ぐつわを気にし出し右手で外そうとするが上手くいかない。
彼女は背後が気になったのか踵を返すと僕に気が付き、
片手を伸ばしながらまた纏わり付き始めた。
上手く行った。猿ぐつわのせいで咬む事は出来ない。
荒っぽかったが仕方ない、早く吉川さん家に知らせなくては。
…ナニで?窓から隣の家の様子を伺おうとカーテンを少し開ける。
ベッドの端に置いておいた携帯電話が陽射しに照らされて
丁度よく僕の目に閃光を飛び込ませた。
これだ、光の反射、鏡はどうだ?
壁に掛けてある女性雑誌程の大きさの鏡を外し手に持つと
僕は隣の家の2階の部屋から照らし始めた。
普段なら僕の3つ歳上で浪人生の幹久さんがいるはずなんだ
…誰もいないか?鏡を動かしたちらつく光で不規則に隣の部屋の窓の
カーテンを照らし続ける。30秒程でカーテンが少し開いた。
僕は纏わり付いた彼女を見られてはまずいと気付き、
慌てて彼女の頭を右手でグッと押さえ込み隣から見えないようにすると
幹久さんが僕に気が付き、隣の部屋の窓が開いた。
幹久さんの手には金槌が握られていた。何かを探しに2階へ上がった所
タイミングよく僕の事に気が付いたのかもしれない。
まだ響いている他の音から察すると他に一人いる様だった。
おばさんかな?僕は鏡を机の上に置き左手で幹久さんに向け
家の下を指差す。幹久さんがその方向を見て
驚いているのが解った。僕も部屋の窓越しにそっちを覗き込むと
何処から湧いたのか血まみれのやつらが既に10人程に増え、
家の前の通りから吉川さんちの敷地内へ入り込んでいた。
やつらには独自のコミュニケーション方法があるのだろうか?
幹久さんが僕を見たので、僕は金槌で釘を打っている様な
ジェスチャーをすると、幹久さんは意味が解った様で慌てて、
作業をやめるように階下へ伝えに行ってくれたように見えた。
気付いてくれた筈。やれる事はやった…。

僕は窓のカーテンを再び閉め、
うずくまった状態の彼女の頭に置いた右腕の力を弱めた。
僕は背後から彼女を抱えベッドにうつぶせに寝かせると
そのまま背中から押さえ込むように抱え込む。
隣の家を囲んだやつらの行動を案じ、緊張で体がこわばる。
彼女の髪が僕の顔に纏わり付いた。
たのむ、少しだけこのままでいさせてくれないか?
こわばった体をごまかすかのように
僕は彼女を力強く抱きしめていた。

金槌で打ち付ける音は止んでいた。
しかし束の間、別の音が響き始めた。
やつらが隣の家の窓や玄関を叩き始めた音が。

ドンッドンッドンッ

…何も起こらないでくれ。

ドンッドンッドンッ

ドンッドンッ



(続く)

第7章へ。



何にも起こらなければ話にならないので
起こらない訳は無いんですよね、たぶん。
さて、何を起こしましょうか?
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