自作ゾンビ小説の草稿投稿中。
いらっしゃいませ。
自作のゾンビ物語の草稿を投稿中です。
予定では4日間の出来事として書いて
いますが3年も経つと言うのにようやく
3日目。それでもめげずにやって来れた
のは読んでくれる方がいらっしゃるから
こそと感謝しています。今後も感想なり
コメント頂けますと非常にやる気と
励みになります。宜しければ一言でも
添えて頂けますと嬉しいです。
自作ゾンビ物語。
[portrait of the dead]
めざせ!! ゾンビ小説家!!
ゾンビが好きすぎて自作のお話なんか
拵えております。なにぶん素人の
書く物語なので大目にみて下さい。
「ゾンビと暮らす。」(仮)→目次
めざせ!! ゾンビ小説家!!
ゾンビが好きすぎて自作のお話なんか
拵えております。なにぶん素人の
書く物語なので大目にみて下さい。
「ゾンビと暮らす。」(仮)→目次
プロフィール
HN:
南瓜金助 (みなみうりごんすけ)
HP:
性別:
男性
自己紹介:
別HNカボチャスキのお送りします
来た人だけが知っている秘密の部屋。
言うに洩れずホラー映画が好きです。
憧れの人はフック船長と芹沢博士に
スネーク・プリスキンとDr.ルーミス。
彼らに多大なる恩恵を授かりました。
来た人だけが知っている秘密の部屋。
言うに洩れずホラー映画が好きです。
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→目次ページはコチラから
[portrait of the dead]
キッチンの窓から入り込む陽射しが
雨戸を閉め切った暗いリビングルームの内装を
ぼんやりと浮かび上がらせている。
暗くなればロウソクが要りそうだ。
ロウソクは薬箱の置いてある食器棚の中にあるはず。
幹久さんは上手く逃げられたのだろうか…。
隣の家を襲撃したやつらが今だに僕の家の周辺を
ウロウロと徘徊している現状に、僕は彼女と2人きりで
静かにリビングのソファーに隣り合わせで座り、
時間が過ぎるのを待った。
静かにしていればやつらは僕たちに気付づく事無く、
やがては方々へ散ってくれるだろう事を期待しながら。
彼女はTシャツで作った即席猿ぐつわを嵌められた状態で、
相変わらず僕の喉笛を狙って来る行動をし続けている。
僕は彼女の髪を撫でた。愛おしい?この状態でさえ…。
彼女の着たYシャツの左腕の袖が目に入った。
腕が通っていないので膨らみが無くだらんとしたままだ。
そうだ包帯…傷口に巻いておいた方がいいかも知れない。
さっき見た時、傷口は乾いているように見えたけれど
これ以上破損しないように保護しておいた方が良さそうだし…。
僕はジャージーのズボンの右ポケットから詰め込んでおいた
3本の包帯を取り出すとソファーの前にある膝くらいの高さがある
テーブルの上に置いた。
…彼女の来ているYシャツを脱がせなくてはいけない。
その下、ブラジャーやパンツと言った下着は着けていないままだった。
僕はソファーを離れ彼女の前でひざま付き、留めてあるボタンの
3つのうちの一番上の1つを外すと、彼女の胸の谷間が見えてきた。
浴槽で彼女を洗った時の状況を思い出すと我を忘れそうになり、
全部脱がせるのはまずいと決めた。自制が効くか判らない。
Yシャツのボタンは上が2つ留まっていない状態で、
僕は彼女の両肩へ手をやりYシャツをゆっくりとさげると両肩を出し、
Yシャツは胸のふくらみの上で止めた。左肩の傷口を見る。
…出血は無い。皮膚の無いむき出しになった肉の部分は
まるでビーフジャーキーのように赤黒く変色し乾いていた。
触ると堅そうだったが、触るのはやめた。
この傷はこれからどうなるんだろう…。
死んでしまった体に傷口を治そうとする力はあるのだろうか?
彼女自身、このまま乾燥し始めカラカラに干涸びて行くのか…
あるいは、腐敗を始めドロドロに溶けて行くのか…
果たしてこの動き始めた死体達に、この世の法則が
そのまま当てはまるのかさえ疑問だが
成り行きを見守るしか無さそうだ。
傷口をよく見ると切れ目に噛んだであろう歯形の後が
無数にあった。喰いちぎられてしまったんだ…左肩を。
他に外傷が見あたらない所を見ると左腕のない状態で逃げ回り、
こと切れてしまったのかもしれない…。
想像出来ない程の痛みを想像してみると僕の体はすくみ上がり
身震いした。想像するのはやめよう、とにかく包帯だけは巻いておこう。
服を下げ始めてからずっと彼女は右手で僕の左腕を掴んだまま離さない。
猿ぐつわをされた口で僕に噛み付こうと首を動かしているが
僕は彼女の右肩を押さえているので顔を近づけられないまま
首を上下させていた。どうやって、包帯を巻こう
…正しい包帯の巻き方なんか解らない。
テーブルから包帯を1本取り、仕方が無いのでタスキがけのようにして
巻き始めたが、今の状態では彼女の右手の脇の下に包帯を通せない事に
気付く。やむを得ず彼女の右腕をYシャツから引き抜くと、
Yシャツは止まっていた胸元からずり落ち彼女の胸を露にしてしまった。
一瞬目は彼女の胸を捉えてしまい心臓の鼓動が一気に早くなる。
見ないように努力し、彼女の右腕をあげつつ包帯を肩や腋の下を
通らせたりして、とにかく傷口が見えなくなるまで3本の包帯を
つなぎながらぐるぐると巻きつけた。
包帯の両端を彼女の右脇あたりで縛り止めどうにか巻き終えると
彼女にYシャツを着させ外したボタンを留める。
巻いてみて解ったが包帯では収まりが悪い気がした。
他に傷口を保護出来そうなものも探さなくては…。
僕は彼女の座っている左側へ腰をおろすと一息つき
壁の時計に目をやる。午後4時半。
思ったより時間がかかってしまったが
やつらが方々へ散ってくれるには充分な時間に思えた。
僕の心臓が彼女の裸を忘れ、
次第に落ち着きを取り戻すと急に寒気を憶え震えた。
Tシャツを彼女の猿ぐつわに使ってからずっと上半身は裸だった。
エアコンは学校帰りにシャワーを浴びた後からつけていない。
4月はまだまだ肌を出して過ごすには寒い季節。
浴室の手前に置かれた洗濯機の上には昨日出した汚れ物が
まだ洗い物の籠に入ったままだったので、籠の前に行き、
籠から長袖のスウェットの上着を抜き出して着る。
洗濯機の脇から浴槽に目を移すと、
さっき、彼女と言う死体を洗った事を思い出し
また、とんでもない事が起きていた事に気が付いた。
知り合いがさらに、死んだ。喰われて、死んでしまった。
隣のおばさんに村瀬、そして村瀬の妹さんも
たぶん死んでしまったんだ。
…たぶん。
もうよく判らない…死という状態が。
亡くなってしまった事への悲しさは、ある。
でもそれを上回る得体の知れない不安と恐ろしさが
涙を流すのを止めてしまっているみたいだった。
昨日まで死は死であったはず。
当然動く訳も無く、方法はどうあれ、
静かにこの地上からの肉体の消滅を迎えるだけだった。
しかし今日、死が襲い来る。
生きている者を喰らいながら死を蔓延させている。
死がこの世を席巻しようとしている。
…なぜ?
やつらの存在意義が、まるで人間の生きる事を拒絶するかのごとく
尽く生を貪り続ける事にあるのだとしたら、僕らの存在は今、
一体何故生きているのかと、疑問に思うしかない。
生を許されなくなった存在…そうも言える事態が現に起きている。
考えてみれば死んでいるやつらに食料がいる筈も無く
僕らを餌として家畜の如く繁殖させようとする様子なども
見られるわけも無い。まさか食欲があり、空腹感を満たす為だけに
行われている行為なのか?喰らう事の目的がなんなのか
思い浮かばないが、このままこの事態が続けば
当然、人類は滅亡の危機に晒される。
これは攻撃?…死を蔓延させ滅ぼす為?
…人類を喰らい尽くすまで終わらない?
人間に人間を始末させ、得をする奴は一体誰だ?
誰にせよ、「お前達の為に与える未来は無い」
…そう言われている気がして来た。
…僕は、死にたくないよ。
漠然と浮かんだそんな思いに後押しされたのか、
キッチンから漏れる光を頼りに、リビングへ戻り
外の様子を見に忍び足で玄関の扉の覗き窓へ向かった。
覗き窓からはやつらの姿は見えない。
彼女もソファーから立ち上がっていて、ふらふらと僕の後を
付けて回っているが気にせず、僕は2階の自分の部屋へ向かい、
窓を被っているカーテンを僅かにずらして隣の幹久さんの家を見た。
家は西日で照らされオレンジ色の光をまとい始めていた。
…もうすぐ日が暮れる。
やつらの姿は数える程に減っていたがまだ安心は出来ない。
テレビが目に入り、今何を伝えているのか気になったので、
テレビの前に置いてあった耳の穴へ入れて使うヘッドフォンを掴み
再びリビングへ向かおうと自分の部屋を出ると、
階段の下から3段目くらいに彼女の姿が見えた。
彼女が階段を昇っていた。
ふらふらとした歩みだが一段一段昇る姿が妙に愛おしく感じ、
踏み外して転げ落ちないかと心配しながらも、
おとなしく登りきるのを待った。下手に手を出すと
僕が気になりバランスを崩しかねない。
ようやく登りきった所で彼女は僕に向かって手を伸ばす。
僕は幼い子供が何かを成し遂げた時の様な気持ちになり、
よくやったと頭を撫でていた。そのまま彼女を部屋の中へ導き
彼女を抱えベッドへ倒れ込ませる。彼女が再び起き上がるまでの間に
僕はまた学習机の椅子を部屋の外へ運び出しドアの前で椅子を寝かせ、
内側からドアが開かないようにして彼女を部屋に閉じ込めてから
階段をそっと降り、リビングルームのテレビへと向かった。
ヘッドフォンのプラグをテレビの側面の穴に差し、
外部へ音が漏れないようにしてテレビを点けると、
目に入って来たのは、やつらを捕まえて川へ放り込んでいる映像だった。
その川は河川整備されていて、川面より壁面が90度と垂直で、
その高さは3m弱、更にその上には1.3mくらいのフェンスが張られて
いると言った、都会の住宅地を流れるごくありふれた川だった。
放り込まれたやつらは当然登って来れる筈も無く、
上を見上げながらよじ上ろうともがいていた。
「こういった光景が各地で見られますが、
彼らを蘇らせた物質が私たちの体にも有害な物質であった場合、やがては
私たちの口に入るかもしれない生き物へと繋がる川へ投げ込むのは
危険な可能性がありますので、彼らを川へ投げ込むはやめましょう」、
というようなアナウンスが添えられていた。いい対処方法だと思ったが、
アナウンスにも一理ありそうだ。
投げ込んでいる人々は半ば暴徒と化し、身を守る手段と言わんばかりに
それを繰り返している。警官の姿も見えるが取り押さえるのに
苦労している様だった。こんな事態なのに
人同士でも争いが始まっていた。
アナウンスで言っていた、【僕らの食べ物をも害する恐れ】が
現実のものになれば人類の滅亡は本当に時間の問題だろう。
生きる為の術を奪われては生きようが無い。
…そうだ、食物の確保は大事だ。
幸いと言っていいのか冷蔵庫は昨日買い出された食べ物で
埋められていた。電気が止められなければの話だが、
僕一人であれば1週間くらいは保ちそうだ。
母親の実家から送って来てくれた、ジャガイモやタマネギ、
ニンジン、ゴボウはキッチンの脇の段ボール1箱の中にある。
それに母親が用意した地震災害時用の非常食も屋根裏の物置に
蓄えられていた。また母親に感謝。…有り難う母さん。
食料が足りているうちに事態が収拾される事を祈るしか無い…。
キッチンから溢れる陽の光が徐々に薄らいで来たのが判った。
リビングが暗くなり始める。テレビからの光が外へ漏れ
それを頼りにやつらが襲い来るかもしれないと思いたち、
一先ずテレビを消し、キッチンの窓に新聞紙を貼りに行く事にした。
ガムテープは下駄箱の一番下の段のドライバー等の工具箱の所。
新聞紙も玄関の下駄箱の横の袋にいれられまとめられていた。
新聞紙とガムテープを持ち出しキッチンの流し台の前へ。
喉が湧いたのに気付き、流し台の脇にあった洗いざらしのコップを
手に取り、水を一杯つぎ、飲み干す。水も貯えなくてはならない。
水道が止まった時の事を考え、浴槽には生活用を、
飲み水には2つあるポリタンクと
空の1.5リットルのペットボトルも使ってみよう。
分別ゴミの収集前の筈なので3、4本はあった筈だ。
コップを流し台の脇に置き、新聞紙を何重かにして
目の前にあるキッチンのくもりガラスに隙間なく貼ろうと
ガムテープを何気なく引き剥がしちぎると、ビリッと音がして焦る。
外の様子が気になったのでほんの少し、2cm程窓を開け覗いてみる。
…静かだ。やつらの姿は、ここから見る限り、1体も見当たらない。
ようやく、隣にいたやつらは方々へ散って行ってくれた様だ。
…いや、他の家を襲っているのかもしれないが。
今のうちなら新聞紙を貼る様子も外から見られなくてすみそうだ。
新聞紙を貼り終えると部屋は暗くなり
リビングの輪郭が見えなくなった。ロウソクを出し忘れたのに気付く。
暗い中、足下がおぼつかないままなんとかロウソクを探し出すが、
今度は火がなかった。ライターはどこだ?
家族は誰一人タバコは吸わない。確か流し台の引き出しに、
カセットコンロ用に使うライターがしまってあったハズだ。
…あぁ、懐中電灯も同じ所にあっただろう。
目が部屋の暗さになれてきた。それらを探し出すと、
リビングルームのテーブルの上に置き、僕はソファーへ腰をおろした。
…疲れた。ため息をつく。
陽が暮れようとしている。
街灯が点くと玄関のドアの上にある明かり取りのガラスから外の光が
入って来た。リビングルームの木戸を閉め切らなければ結構室内が
明るい事に気が付いた。街灯に電気が通っている限りはロウソクを
点さなくてもよさそうだ。テレビを点ける時にはリビングの木戸を
閉めるよう注意すればいい。
今夜、家々の灯りは殆ど点けられる事はないだろう。
風に乗って聞こえて来たサイレンも聞こえなくなり
黒煙を上げていた原因も沈静化したのかもしれない。
避難場所への移動車両は僕の家の付近には今だ来ない。
辺りは静まり返り、ついに家々の暗い夜が訪れ始めた。
やつらは、夜、何をして過ごすのだろうか。
例え暗くなっても、やつらにはきっと僕らが見えるはずだ。
光は関係ない…彼女がジャージーを被され顔を被われていたにも関わらず
僕が判ったように。あの時、彼女の視界は塞がっていた筈なのに
近づいた僕に向かって手を伸ばしたんだ…確かに。
音か、匂いか、生を感じる何かが人から発せられているのか…。
とにかくやつらは目で見て確認しているだけでは無さそうだ。
どこからとも無くバンッバンッと、
何かを叩く音が聞こえ始めて来たのに気付く。
静まり返った筈の外の様子が一変した。
一体なんだろう?釘を打ち付けている音では無さそうだ。
音はいくつも響き始めた。ドンドン、バンバン、ガンガン。
方々から聞こえるこの音…何の音だ?
ドンッ…ドンッ…ドンッ…
それはついに僕の家の玄関からも!!
玄関の扉を叩く音が響いて来ているのか?
聞こえる音全て、玄関の扉を叩く音なのか?!
…この音、昼間聞いた音にそっくりだ。
急いで玄関に向かい覗き穴から様子を伺うが
玄関先には昼間見えた血の引きずられた跡しか見えなかった。
しかし姿こそ見えないものの、これはまさしく
昼間と同じ、誰かがドアの下の方を叩いている音に違いない!!
なんだよ!! 一体…誰がそこにいるんだ?!
叩く様な音は更に増え続け、
次第に街中から聞こえるのではないかと思えるくらい
いくつも重なり響き渡って来た。
バンバンバンドンドンドンガンガンガンバンバンバン
この騒々しさ!!
何が、起き始めたんだ!?
これは…なんなんだ!!!
(続く)
→第10章へ。
騒がしい夜は、
どうしても扱ってみたかったエピソードで
ここは始めからやってみようと考えていました。
感想等ありましたら、参考になりますのでお寄せ下さい。
では、また次回に。
[portrait of the dead]
キッチンの窓から入り込む陽射しが
雨戸を閉め切った暗いリビングルームの内装を
ぼんやりと浮かび上がらせている。
暗くなればロウソクが要りそうだ。
ロウソクは薬箱の置いてある食器棚の中にあるはず。
幹久さんは上手く逃げられたのだろうか…。
隣の家を襲撃したやつらが今だに僕の家の周辺を
ウロウロと徘徊している現状に、僕は彼女と2人きりで
静かにリビングのソファーに隣り合わせで座り、
時間が過ぎるのを待った。
静かにしていればやつらは僕たちに気付づく事無く、
やがては方々へ散ってくれるだろう事を期待しながら。
彼女はTシャツで作った即席猿ぐつわを嵌められた状態で、
相変わらず僕の喉笛を狙って来る行動をし続けている。
僕は彼女の髪を撫でた。愛おしい?この状態でさえ…。
彼女の着たYシャツの左腕の袖が目に入った。
腕が通っていないので膨らみが無くだらんとしたままだ。
そうだ包帯…傷口に巻いておいた方がいいかも知れない。
さっき見た時、傷口は乾いているように見えたけれど
これ以上破損しないように保護しておいた方が良さそうだし…。
僕はジャージーのズボンの右ポケットから詰め込んでおいた
3本の包帯を取り出すとソファーの前にある膝くらいの高さがある
テーブルの上に置いた。
…彼女の来ているYシャツを脱がせなくてはいけない。
その下、ブラジャーやパンツと言った下着は着けていないままだった。
僕はソファーを離れ彼女の前でひざま付き、留めてあるボタンの
3つのうちの一番上の1つを外すと、彼女の胸の谷間が見えてきた。
浴槽で彼女を洗った時の状況を思い出すと我を忘れそうになり、
全部脱がせるのはまずいと決めた。自制が効くか判らない。
Yシャツのボタンは上が2つ留まっていない状態で、
僕は彼女の両肩へ手をやりYシャツをゆっくりとさげると両肩を出し、
Yシャツは胸のふくらみの上で止めた。左肩の傷口を見る。
…出血は無い。皮膚の無いむき出しになった肉の部分は
まるでビーフジャーキーのように赤黒く変色し乾いていた。
触ると堅そうだったが、触るのはやめた。
この傷はこれからどうなるんだろう…。
死んでしまった体に傷口を治そうとする力はあるのだろうか?
彼女自身、このまま乾燥し始めカラカラに干涸びて行くのか…
あるいは、腐敗を始めドロドロに溶けて行くのか…
果たしてこの動き始めた死体達に、この世の法則が
そのまま当てはまるのかさえ疑問だが
成り行きを見守るしか無さそうだ。
傷口をよく見ると切れ目に噛んだであろう歯形の後が
無数にあった。喰いちぎられてしまったんだ…左肩を。
他に外傷が見あたらない所を見ると左腕のない状態で逃げ回り、
こと切れてしまったのかもしれない…。
想像出来ない程の痛みを想像してみると僕の体はすくみ上がり
身震いした。想像するのはやめよう、とにかく包帯だけは巻いておこう。
服を下げ始めてからずっと彼女は右手で僕の左腕を掴んだまま離さない。
猿ぐつわをされた口で僕に噛み付こうと首を動かしているが
僕は彼女の右肩を押さえているので顔を近づけられないまま
首を上下させていた。どうやって、包帯を巻こう
…正しい包帯の巻き方なんか解らない。
テーブルから包帯を1本取り、仕方が無いのでタスキがけのようにして
巻き始めたが、今の状態では彼女の右手の脇の下に包帯を通せない事に
気付く。やむを得ず彼女の右腕をYシャツから引き抜くと、
Yシャツは止まっていた胸元からずり落ち彼女の胸を露にしてしまった。
一瞬目は彼女の胸を捉えてしまい心臓の鼓動が一気に早くなる。
見ないように努力し、彼女の右腕をあげつつ包帯を肩や腋の下を
通らせたりして、とにかく傷口が見えなくなるまで3本の包帯を
つなぎながらぐるぐると巻きつけた。
包帯の両端を彼女の右脇あたりで縛り止めどうにか巻き終えると
彼女にYシャツを着させ外したボタンを留める。
巻いてみて解ったが包帯では収まりが悪い気がした。
他に傷口を保護出来そうなものも探さなくては…。
僕は彼女の座っている左側へ腰をおろすと一息つき
壁の時計に目をやる。午後4時半。
思ったより時間がかかってしまったが
やつらが方々へ散ってくれるには充分な時間に思えた。
僕の心臓が彼女の裸を忘れ、
次第に落ち着きを取り戻すと急に寒気を憶え震えた。
Tシャツを彼女の猿ぐつわに使ってからずっと上半身は裸だった。
エアコンは学校帰りにシャワーを浴びた後からつけていない。
4月はまだまだ肌を出して過ごすには寒い季節。
浴室の手前に置かれた洗濯機の上には昨日出した汚れ物が
まだ洗い物の籠に入ったままだったので、籠の前に行き、
籠から長袖のスウェットの上着を抜き出して着る。
洗濯機の脇から浴槽に目を移すと、
さっき、彼女と言う死体を洗った事を思い出し
また、とんでもない事が起きていた事に気が付いた。
知り合いがさらに、死んだ。喰われて、死んでしまった。
隣のおばさんに村瀬、そして村瀬の妹さんも
たぶん死んでしまったんだ。
…たぶん。
もうよく判らない…死という状態が。
亡くなってしまった事への悲しさは、ある。
でもそれを上回る得体の知れない不安と恐ろしさが
涙を流すのを止めてしまっているみたいだった。
昨日まで死は死であったはず。
当然動く訳も無く、方法はどうあれ、
静かにこの地上からの肉体の消滅を迎えるだけだった。
しかし今日、死が襲い来る。
生きている者を喰らいながら死を蔓延させている。
死がこの世を席巻しようとしている。
…なぜ?
やつらの存在意義が、まるで人間の生きる事を拒絶するかのごとく
尽く生を貪り続ける事にあるのだとしたら、僕らの存在は今、
一体何故生きているのかと、疑問に思うしかない。
生を許されなくなった存在…そうも言える事態が現に起きている。
考えてみれば死んでいるやつらに食料がいる筈も無く
僕らを餌として家畜の如く繁殖させようとする様子なども
見られるわけも無い。まさか食欲があり、空腹感を満たす為だけに
行われている行為なのか?喰らう事の目的がなんなのか
思い浮かばないが、このままこの事態が続けば
当然、人類は滅亡の危機に晒される。
これは攻撃?…死を蔓延させ滅ぼす為?
…人類を喰らい尽くすまで終わらない?
人間に人間を始末させ、得をする奴は一体誰だ?
誰にせよ、「お前達の為に与える未来は無い」
…そう言われている気がして来た。
…僕は、死にたくないよ。
漠然と浮かんだそんな思いに後押しされたのか、
キッチンから漏れる光を頼りに、リビングへ戻り
外の様子を見に忍び足で玄関の扉の覗き窓へ向かった。
覗き窓からはやつらの姿は見えない。
彼女もソファーから立ち上がっていて、ふらふらと僕の後を
付けて回っているが気にせず、僕は2階の自分の部屋へ向かい、
窓を被っているカーテンを僅かにずらして隣の幹久さんの家を見た。
家は西日で照らされオレンジ色の光をまとい始めていた。
…もうすぐ日が暮れる。
やつらの姿は数える程に減っていたがまだ安心は出来ない。
テレビが目に入り、今何を伝えているのか気になったので、
テレビの前に置いてあった耳の穴へ入れて使うヘッドフォンを掴み
再びリビングへ向かおうと自分の部屋を出ると、
階段の下から3段目くらいに彼女の姿が見えた。
彼女が階段を昇っていた。
ふらふらとした歩みだが一段一段昇る姿が妙に愛おしく感じ、
踏み外して転げ落ちないかと心配しながらも、
おとなしく登りきるのを待った。下手に手を出すと
僕が気になりバランスを崩しかねない。
ようやく登りきった所で彼女は僕に向かって手を伸ばす。
僕は幼い子供が何かを成し遂げた時の様な気持ちになり、
よくやったと頭を撫でていた。そのまま彼女を部屋の中へ導き
彼女を抱えベッドへ倒れ込ませる。彼女が再び起き上がるまでの間に
僕はまた学習机の椅子を部屋の外へ運び出しドアの前で椅子を寝かせ、
内側からドアが開かないようにして彼女を部屋に閉じ込めてから
階段をそっと降り、リビングルームのテレビへと向かった。
ヘッドフォンのプラグをテレビの側面の穴に差し、
外部へ音が漏れないようにしてテレビを点けると、
目に入って来たのは、やつらを捕まえて川へ放り込んでいる映像だった。
その川は河川整備されていて、川面より壁面が90度と垂直で、
その高さは3m弱、更にその上には1.3mくらいのフェンスが張られて
いると言った、都会の住宅地を流れるごくありふれた川だった。
放り込まれたやつらは当然登って来れる筈も無く、
上を見上げながらよじ上ろうともがいていた。
「こういった光景が各地で見られますが、
彼らを蘇らせた物質が私たちの体にも有害な物質であった場合、やがては
私たちの口に入るかもしれない生き物へと繋がる川へ投げ込むのは
危険な可能性がありますので、彼らを川へ投げ込むはやめましょう」、
というようなアナウンスが添えられていた。いい対処方法だと思ったが、
アナウンスにも一理ありそうだ。
投げ込んでいる人々は半ば暴徒と化し、身を守る手段と言わんばかりに
それを繰り返している。警官の姿も見えるが取り押さえるのに
苦労している様だった。こんな事態なのに
人同士でも争いが始まっていた。
アナウンスで言っていた、【僕らの食べ物をも害する恐れ】が
現実のものになれば人類の滅亡は本当に時間の問題だろう。
生きる為の術を奪われては生きようが無い。
…そうだ、食物の確保は大事だ。
幸いと言っていいのか冷蔵庫は昨日買い出された食べ物で
埋められていた。電気が止められなければの話だが、
僕一人であれば1週間くらいは保ちそうだ。
母親の実家から送って来てくれた、ジャガイモやタマネギ、
ニンジン、ゴボウはキッチンの脇の段ボール1箱の中にある。
それに母親が用意した地震災害時用の非常食も屋根裏の物置に
蓄えられていた。また母親に感謝。…有り難う母さん。
食料が足りているうちに事態が収拾される事を祈るしか無い…。
キッチンから溢れる陽の光が徐々に薄らいで来たのが判った。
リビングが暗くなり始める。テレビからの光が外へ漏れ
それを頼りにやつらが襲い来るかもしれないと思いたち、
一先ずテレビを消し、キッチンの窓に新聞紙を貼りに行く事にした。
ガムテープは下駄箱の一番下の段のドライバー等の工具箱の所。
新聞紙も玄関の下駄箱の横の袋にいれられまとめられていた。
新聞紙とガムテープを持ち出しキッチンの流し台の前へ。
喉が湧いたのに気付き、流し台の脇にあった洗いざらしのコップを
手に取り、水を一杯つぎ、飲み干す。水も貯えなくてはならない。
水道が止まった時の事を考え、浴槽には生活用を、
飲み水には2つあるポリタンクと
空の1.5リットルのペットボトルも使ってみよう。
分別ゴミの収集前の筈なので3、4本はあった筈だ。
コップを流し台の脇に置き、新聞紙を何重かにして
目の前にあるキッチンのくもりガラスに隙間なく貼ろうと
ガムテープを何気なく引き剥がしちぎると、ビリッと音がして焦る。
外の様子が気になったのでほんの少し、2cm程窓を開け覗いてみる。
…静かだ。やつらの姿は、ここから見る限り、1体も見当たらない。
ようやく、隣にいたやつらは方々へ散って行ってくれた様だ。
…いや、他の家を襲っているのかもしれないが。
今のうちなら新聞紙を貼る様子も外から見られなくてすみそうだ。
新聞紙を貼り終えると部屋は暗くなり
リビングの輪郭が見えなくなった。ロウソクを出し忘れたのに気付く。
暗い中、足下がおぼつかないままなんとかロウソクを探し出すが、
今度は火がなかった。ライターはどこだ?
家族は誰一人タバコは吸わない。確か流し台の引き出しに、
カセットコンロ用に使うライターがしまってあったハズだ。
…あぁ、懐中電灯も同じ所にあっただろう。
目が部屋の暗さになれてきた。それらを探し出すと、
リビングルームのテーブルの上に置き、僕はソファーへ腰をおろした。
…疲れた。ため息をつく。
陽が暮れようとしている。
街灯が点くと玄関のドアの上にある明かり取りのガラスから外の光が
入って来た。リビングルームの木戸を閉め切らなければ結構室内が
明るい事に気が付いた。街灯に電気が通っている限りはロウソクを
点さなくてもよさそうだ。テレビを点ける時にはリビングの木戸を
閉めるよう注意すればいい。
今夜、家々の灯りは殆ど点けられる事はないだろう。
風に乗って聞こえて来たサイレンも聞こえなくなり
黒煙を上げていた原因も沈静化したのかもしれない。
避難場所への移動車両は僕の家の付近には今だ来ない。
辺りは静まり返り、ついに家々の暗い夜が訪れ始めた。
やつらは、夜、何をして過ごすのだろうか。
例え暗くなっても、やつらにはきっと僕らが見えるはずだ。
光は関係ない…彼女がジャージーを被され顔を被われていたにも関わらず
僕が判ったように。あの時、彼女の視界は塞がっていた筈なのに
近づいた僕に向かって手を伸ばしたんだ…確かに。
音か、匂いか、生を感じる何かが人から発せられているのか…。
とにかくやつらは目で見て確認しているだけでは無さそうだ。
どこからとも無くバンッバンッと、
何かを叩く音が聞こえ始めて来たのに気付く。
静まり返った筈の外の様子が一変した。
一体なんだろう?釘を打ち付けている音では無さそうだ。
音はいくつも響き始めた。ドンドン、バンバン、ガンガン。
方々から聞こえるこの音…何の音だ?
ドンッ…ドンッ…ドンッ…
それはついに僕の家の玄関からも!!
玄関の扉を叩く音が響いて来ているのか?
聞こえる音全て、玄関の扉を叩く音なのか?!
…この音、昼間聞いた音にそっくりだ。
急いで玄関に向かい覗き穴から様子を伺うが
玄関先には昼間見えた血の引きずられた跡しか見えなかった。
しかし姿こそ見えないものの、これはまさしく
昼間と同じ、誰かがドアの下の方を叩いている音に違いない!!
なんだよ!! 一体…誰がそこにいるんだ?!
叩く様な音は更に増え続け、
次第に街中から聞こえるのではないかと思えるくらい
いくつも重なり響き渡って来た。
バンバンバンドンドンドンガンガンガンバンバンバン
この騒々しさ!!
何が、起き始めたんだ!?
これは…なんなんだ!!!
(続く)
→第10章へ。
騒がしい夜は、
どうしても扱ってみたかったエピソードで
ここは始めからやってみようと考えていました。
感想等ありましたら、参考になりますのでお寄せ下さい。
では、また次回に。
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いつの間にやら
9章が出来上がってました、細かい描写が相変わらず面白いです。
早くもエンディングはどうなるのか想像してみたりしますが、ゾンビ映画の如くありがちな 街にゾンビが溢れ人の手ではどうにもならなくなり… で終わるのか。
普通の街で起きているらしい事件なので、軍隊やらがゾンビを沈静化させるなど起きそうにないので今の展開では想像もつきません。
とりあえず、騒々しい夜が始まろうとしている、この展開をどう料理するのか期待しています。
早くもエンディングはどうなるのか想像してみたりしますが、ゾンビ映画の如くありがちな 街にゾンビが溢れ人の手ではどうにもならなくなり… で終わるのか。
普通の街で起きているらしい事件なので、軍隊やらがゾンビを沈静化させるなど起きそうにないので今の展開では想像もつきません。
とりあえず、騒々しい夜が始まろうとしている、この展開をどう料理するのか期待しています。
>ももちんさん
こんにちは♪
今回はちょっと時間取ってしまいました。
いつもより長めだしf(^^;)
見切り発車なのではっきりとしたエンディングは
考えていません(笑) でも途中でやめたりはしないので
末永くお付き合い下さい。
そうなんですよね、自衛隊とか機動隊とか
何やってるんでしょうね(笑)
そのうち、なんとかしますf(^^;)
騒々しい夜、またハードル上げてしまいましたか?
プ、プ、プ、プレッシャーかけないで下さい(笑)
今回はちょっと時間取ってしまいました。
いつもより長めだしf(^^;)
見切り発車なのではっきりとしたエンディングは
考えていません(笑) でも途中でやめたりはしないので
末永くお付き合い下さい。
そうなんですよね、自衛隊とか機動隊とか
何やってるんでしょうね(笑)
そのうち、なんとかしますf(^^;)
騒々しい夜、またハードル上げてしまいましたか?
プ、プ、プ、プレッシャーかけないで下さい(笑)
蛇足です
ここ数年、何作かあったと思いますが、走るゾンビ、それをこの作品に…とか思ったけど、実質登場人物は一人なので手の打ちようがなくなるのは目に見えてました。 以前から疑問なのはゾンビとは早い話 死体 筋肉組織とか傷んだり腐ったりしてるハズなのにどうしてあんなに怪力なのか?ってこと。
あとこの作品には関係ないけど、ベルセルクとクレイモアの世界がごっちゃになったら?とか妄想してます。 ガッツやセルピコの剣技、シールケの魔法が妖魔や覚醒者に通じるのか? クレイモア達の力が使徒を粉砕出来るか?など。
この2作品ご存知ですか? 化け物系がお好きなら満足出来ると思います、男性向けのコミックではありますが是非読んでみて下さい
あとこの作品には関係ないけど、ベルセルクとクレイモアの世界がごっちゃになったら?とか妄想してます。 ガッツやセルピコの剣技、シールケの魔法が妖魔や覚醒者に通じるのか? クレイモア達の力が使徒を粉砕出来るか?など。
この2作品ご存知ですか? 化け物系がお好きなら満足出来ると思います、男性向けのコミックではありますが是非読んでみて下さい
>ももちんさん
こんばんは♪
走られると死体である意味が希薄な印象で
面白みに欠ける部分もありませんか?
死体である以上は死をまとった雰囲気を感じたいので
それだと歩くゾンビの方がいいですよね。
肉を引き裂くのってかなり難しいですよね。
私は昔焼肉屋でバイトしていて、その店は
ほぼそのままの形の内臓を仕入れて
細かく切って出すのですが
試しに腸を思いっきり引っ張ったり
舌(タン)を雑巾のように絞ってみても
そうそう千切れませんでした。f(^^;)
ゾンビの怪力の原動力か…課題ですね(笑)
漫画はあまり読まないのですが
ベルセルクは好きで読んでますよ。(33巻はまだ)
クレイモアも人気作ですよね。機会があれば試してみます。
走られると死体である意味が希薄な印象で
面白みに欠ける部分もありませんか?
死体である以上は死をまとった雰囲気を感じたいので
それだと歩くゾンビの方がいいですよね。
肉を引き裂くのってかなり難しいですよね。
私は昔焼肉屋でバイトしていて、その店は
ほぼそのままの形の内臓を仕入れて
細かく切って出すのですが
試しに腸を思いっきり引っ張ったり
舌(タン)を雑巾のように絞ってみても
そうそう千切れませんでした。f(^^;)
ゾンビの怪力の原動力か…課題ですね(笑)
漫画はあまり読まないのですが
ベルセルクは好きで読んでますよ。(33巻はまだ)
クレイモアも人気作ですよね。機会があれば試してみます。
はじめまして
ランキングから参りました。「ゾンビと暮らす。」小説、面白いです。ゾンビになってしまった彼女がすごく切ないですね…
先が気になり、非常に楽しみにまってます。
それと事後報告で申し訳ありませんが、自分でこちらに簡単にこられるように、リンクをはらさせていただきました。すみませんが、お許しいただけたら幸いです。
では失礼します。
先が気になり、非常に楽しみにまってます。
それと事後報告で申し訳ありませんが、自分でこちらに簡単にこられるように、リンクをはらさせていただきました。すみませんが、お許しいただけたら幸いです。
では失礼します。