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自作ゾンビ小説の草稿投稿中。
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いらっしゃいませ。


自作のゾンビ物語の草稿を投稿中です。
予定では4日間の出来事として書いて
いますが3年も経つと言うのにようやく
3日目。それでもめげずにやって来れた
のは読んでくれる方がいらっしゃるから
こそと感謝しています。今後も感想なり
コメント頂けますと非常にやる気と
励みになります。宜しければ一言でも
添えて頂けますと嬉しいです。
自作ゾンビ物語。
[portrait of the dead]

めざせ!! ゾンビ小説家!!
ゾンビが好きすぎて自作のお話なんか
拵えております。なにぶん素人の
書く物語なので大目にみて下さい。
「ゾンビと暮らす。」(仮)→目次
スペシャル企画。
不定期更新
◆ZOMBIE vs. BABY◆


「生ける屍対赤児/目次」
「産まれて間もない新生児」と
「死して間もないゾンビ」との比較検証。
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HN:
南瓜金助 (みなみうりごんすけ)
性別:
男性
自己紹介:
別HNカボチャスキのお送りします
来た人だけが知っている秘密の部屋。
言うに洩れずホラー映画が好きです。
憧れの人はフック船長と芹沢博士に
スネーク・プリスキンとDr.ルーミス。
彼らに多大なる恩恵を授かりました。
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[portrait of the dead]



ドンッドンッドンッ

やつらが壁や窓を叩く複数の音が混ざりあい始め、
音の間隔が短くなって行く。

ドンドドンドッドッドドン
ドカドカドカドカドカドカドカ

音が激しくなり、僕は隣の様子が気になり始め
彼女を抱きしめた腕の力を弱めるとベッドを降りて
ベッド脇のカーテンを少しだけずらし窓から様子を見る。
僕から見えるのは、僕の家とを隔てる格子と植木、植木の先には小庭で、
更にその先には確かダイニングテーブルのある10畳程の
フローリングの部屋だ。僕もそこで何度か食事をした事がある。
その部屋の上は奥行き1m50cmぐらいの瓦屋根が見え、
屋根の先に幹久さんの部屋があった。
隣の敷地内に入ったやつらは20人以上はいそうだった。
ウチと同じく門も無く、入られ放題…これはまずいかも…。
雨戸があるにも関わらず、閉めずに中から何かで打ち付けたらしい。
ガシャーン、バリンッ、パキパキパキ
窓ガラスの割れる音。割れたガラスの向うに見えたのは
おそらく家具を分解して板状に戻した木。
やつらはその木を叩き始める。目標を前にしたやつらは
時に計り知れない力を出すのは、彼女に首輪をはめた時に
気が付いたが、群れとなるとこれ程の破壊力を引き出すとは。
…幹久さん達、大丈夫か?
僕に解放された彼女が僕に纏わり付いて来た。
彼女に猿ぐつわがしっかりと嵌っているのを確認し
僕はまた隣の様子を確認する。

ドカドカドカドカドカドカドカドカ

僕の正面に見えるフローリングの部屋へ通じる窓は
やつらの手が、打ち付けられた板を押しのけた様で
腕が部屋の中へ突っ込まれた。

悲鳴。

おばさんの?
部屋の中からバットや箒の柄が飛びだし、
やつらを押しのけるが、数が多すぎる。
窓ガラスも板も妨げにならなくなった部屋は
とうとうやつらが傾れ込んで行くのを許してしまった。

慌てて階段を上る足音。
幹久さんの部屋の窓が開いた。
窓を跨いで屋根へ出て来たのは幹久さんとおばさんだった。
どうする?僕に何か出来るか?幹久さんはおばさんの手を取り
屋根を歩き出しそのまま反対側へと向かう様だ。
屋根伝いの先には幹久さん家の駐車場の屋根へと辿り着くはず。
車で脱出するつもりかも知れない。おばさんの足取りがおぼつかない。
靴下だ。おばさんの履いている靴下が滑る。危ない!!
家の前の通りに面した丁度玄関の上当たりに差し掛かった時、
おばさんが屋根の上で転んだ。幹久さんは裸足で踏ん張るが
おばさんのしがみつく勢いに幹久さんもバランスを崩し
2人一緒に倒れて込んでしまった!! その弾みでつないだ手が解かれ
おばさんは一気に屋根を滑り、幹久さん家の玄関脇の庭へと
落ちてしまった!!

「あぁぁぁ!!!…ぎゃぁぁぁぁ!!!」

おばさんの悲鳴だ!!

「ワンッワンワンワンッ」

あの犬の声か!! ならば
間違いなくおばさんはやつらの頭上から真っ直中へ落ちた事になる!!
「か…母さん!!」 幹久さんは声をあげ、四つん這いになり
屋根の上から下の庭を覗く。僕の位置からは家の前の通り見えるが
庭までは見えない。通りにはやつらが何体か今だに近づきながら
その数を増やしている。何処から湧いて来るんだ、一体…。

「あっがぐへあっい…へ…」

叫びとも言えない声…おばさんの…?…おばさん?!
幹久さんは屋根から庭を覗くのをやめ、顔を伏せていた。
おばさん…だめだったのかな…。
2階の幹久さんの部屋を見るとそこには既に2体やつらがいた。
開かれた窓に気が付き、1体がゆっくりと窓の外へと片足を出し
屋根へ出ようとしている。幹久さんは気が付かない。
僕は気が動転してなんとかして知らせようと
自室の窓を開けようと窓枠へ手をかけたその時!!
屋根へ出た1体は滑って、下の小庭へ落ちていった!!
幹久さんは突っ伏したまま。部屋にいたもう一体も同じように
屋根へ出ると落ちていった…。なんて事だ…。
やつらは屋根の傾斜では上手く歩けない…。
危なかった…自室の窓を開けて声をあげなくて良かったと、
冷静さを取り戻す。おばさんの声はもう聞こえなくなっていた。
幹久さんが顔をあげた。やつらが屋根伝いに
襲って来ないのに気が付いた様だ。
幹久さんは這ったまま屋根を上へと移動すると、僕からは壁がそれを遮り
死角で見えなくなった。おそらく壁に背をあてしゃがみ込んだようで
膝から先は見えた。その足は震えていて、泣いているように思えた。

ドンッドンドンッ
家を囲み、中へ突入出来ないやつらの
窓や玄関を叩く音はいまだに響いていた。
これからどうするつもりなんだ、幹久さん…。
逃げ切れる事は…出来る?


相変わらず、やつらは屈み込んだ幹久さんを襲うつもりか
窓から屋根へと次々と出続けるが、やはり足を滑らしたり
バランスを崩したりで、屋根から転げ落ち続けていた。
これは思わぬ弱点だ。ふらふらとよろめき
歩くのもままならないと思われるやつらは、
滑りやすく、ある程度の傾斜のある場所では、
思うように(?)行動出来ない様だ。
幹久さんの所まではやつらは辿り着けないが
それでも、幹久さんの家の周りはやつらが着々と増え
50くらいの数はいそうだ…幹久さんの姿を確認して集まって来て
しまっているようだ。その場所は家の前の通りからは
やつらには目立ち過ぎるのだろうか…。それとも
何事かと移動しているやつらにつられてどんどん集まって来るのか…。
まずい事にならないといい…僕の家は雨戸が閉めてあるだけだ…
ドアノブを回せるのなら外す事も出来ると考えた方がいいだろう…
僕の存在も気付かれたら…ひとたまりもない…どうしよう…。
幹久さん、そこはまずいよ、せめてやつらの視界に入らない場所まで
移動した方がいい…。視界?そう言えば彼女は顔にジャージーを
被らされていたとき、僕に気付いている様だった…。
やつらは何を以て生きた人間の居場所を知るのかは見当もつかないが
幹久さんの位置を確認して家の階段を上り目的地まで
行こうとしているのは確かだろう。とは言え、やつら同士に
コミュニケーション方法があるかは疑問だ。
現に僕は彼女といるのに他のやつがそれを知った様子で襲って来た事
はまだ無い。さらに、騒音に反応してやって来る事も確かな様だ。
幹久さんは泣いているのか、たぶん集まり始めたその数には
気が付いていない。死角で今度は鏡で知らせる事も出来ない…
僕にはどうする事も出来ないのか?何も考えが浮かばない…
纏わり付く彼女を抱え込み、物音さえ立てないように
窓を覗き込んだままうずくまって、
しばらく動向を伺うしか出来無かった…。

バリン、バキバキバキ…
僕からは見えないが他の窓ガラスも割られ
家への侵入を許した様だった。
玄関を叩く音だけドンッ…ドンッ…ドンッと
間隔を空けて鈍く聞こえる。

正確な時間は判らないが数分が過ぎた時、
やつらの1体が幹久さんの部屋の窓から屋根へ
這うようにして現われた。這って出て来たのはこいつが初めてだ。
窓から這いながら引きずり出した全身は両足が膝から下がなく、
歩けるワケが無い事が分った。
…これはまずいぞ!!
少しづつ屋根からずり下がって来てはいるが、
這っているおかげで屋根をなんとか移動出来る奴が現われた!!
どうする?! 声をあげて教えるべきなのか?
それでやつらに気が付かれたら? 僕の部屋からは屋根は無く、
逃げ場がまるで無い!! どうすればいい? 全く何も頭に浮かばない!!
幹久さんの足まであと1m!! 幹久さんの足が動く。
やつに気が付いたのか立ち上がったので
僕からはまた死角で見えなくなってしまった。
やつが這う時に手を使うおかげで、ベタン、ベタン、と
音がしていたから、きっとそれに気が付いたんだ。
とりあえず、よかった。やつは僕からは死角の家の角を曲がりつつ、
おそらく近くにいる立ち上がった幹久さんに向け、両手を延す。
やつは両手上下させると、その拍子にバランスを崩し、
両手を伸ばしたままゴロゴロと回転し屋根を
転げ落ちて行った。…危なかった、これで一息付く。

いつの間にか玄関を叩いている音も聞こえなくなっていた。
しかし、気が付けばやつらの数は更に増え100くらいになっている。
幹久さん、どうするつもりだろう?駐車場の屋根に辿り着いたとしても、
やつらのこの数だ。例え車に乗り込めたとして、
なぎ倒しながら発進出来る事も出来そうにないだろう。
やがて幹久さんの姿が死角から現れた。
飛び降りられる場所を探している様だった。
窓からはゆっくりではあるが、やつらが現れては落ちている。
幹久さんは出て来た窓に近づくと隣から覗き込んでいる僕に気が付いた。
僕に向かってコクンと頷くと幹久さんはタイミングを
見計らって窓から出て来るやつらを躱し、
屋根伝いに家の前にある通りとは反対側へと向かった。
真反対側にあるのはサイクリング道路だ。
そうか、上手く飛び降りられれば、
直接サイクリング道路へ出られる。
サイクリング道路は両脇にフェンスが張られ、
侵入口はここから200mくらいは先、
やつらが入り込んでいる確率も低そうだ。
幹久さんを目で追っていると屋根の端へ立ったが判った。
幹久さんは振り返って、僕に向かって手を翳すと
僕の視界からその姿を消した。僕の場所からは見えないが
サイクリング道路にはやつらの姿がなく
上手く飛び降りられる状況だったに違いない。
サイクリング道路のフェンスを越え、河川整備された川の土手を
移動すれば、そうそうやつらと出くわさないように思えた。
うまく逃げ切れるといい。


今度は僕だ…まだ、
物音一つたてるワケにはいかない。
やつらがちりぢりに移動し、
この辺からいなくなるまでは
何も出来ない。


「ピリリリリリリッ」

…やばい!!
僕の携帯電話から
通話の呼び出しベルが鳴り響いた!!


(続く)

第8章へ。


なんだかPOVっぽくないですか?(笑)
ブログ形式って書きづらいですね。
毎回ヤマみたいなの無いとダラダラしそうだし。
という訳で、また次回♪




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