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自作ゾンビ小説の草稿投稿中。
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いらっしゃいませ。


自作のゾンビ物語の草稿を投稿中です。
予定では4日間の出来事として書いて
いますが3年も経つと言うのにようやく
3日目。それでもめげずにやって来れた
のは読んでくれる方がいらっしゃるから
こそと感謝しています。今後も感想なり
コメント頂けますと非常にやる気と
励みになります。宜しければ一言でも
添えて頂けますと嬉しいです。
自作ゾンビ物語。
[portrait of the dead]

めざせ!! ゾンビ小説家!!
ゾンビが好きすぎて自作のお話なんか
拵えております。なにぶん素人の
書く物語なので大目にみて下さい。
「ゾンビと暮らす。」(仮)→目次
スペシャル企画。
不定期更新
◆ZOMBIE vs. BABY◆


「生ける屍対赤児/目次」
「産まれて間もない新生児」と
「死して間もないゾンビ」との比較検証。
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プロフィール
HN:
南瓜金助 (みなみうりごんすけ)
性別:
男性
自己紹介:
別HNカボチャスキのお送りします
来た人だけが知っている秘密の部屋。
言うに洩れずホラー映画が好きです。
憧れの人はフック船長と芹沢博士に
スネーク・プリスキンとDr.ルーミス。
彼らに多大なる恩恵を授かりました。
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前章はこちら。

[portrait of the dead]


玄関のドアから真正面にトイレがある。その右側にバスルーム。
全裸の彼女を抱えたまま僕は右手でドアノブを回しドアを開け中へ入る。
そこは洗面台もある脱衣所で、浴室入るにはスモークのかかった
半透明のプラスチック製らしき板の張られたドアをもう一枚開ける。
彼女を浴槽へ寝かせる。
昨日、浸かったままのお湯はすっかり水になっていたが
まだ張ってあって、彼女にこびり付いていた血液は水に溶け出して、
浴槽を赤く染め始める。
彼女の右腕は僕の左肩を掴んで来て僕を引き寄せようとする。
彼女の腕を振り払うのはもう何度目だろうか、同じ動作の繰り返し。
やはり目的は僕に噛み付き喰らう為だろうか。
彼女の顎を動かせないほど口に押し込まれたカラーボールがそれを遮る。
咬まれたら何故死に至り化物になるのか
…致死力のある伝染性の何かを感染させるのなら、
もっと接触を用心しなければならなかったのかもしれない。
今の所、僕の体には気付く程の何かしらの異変は起こっていない。
僕はシャワーノズルを左手に取り彼女に向け温かなお湯を当てる。
Tシャツ姿の僕は体が冷えていたのかお湯は生き返った気分だ。
彼女も生き返ればいいのに…。こんな不条理な事態が起きているんだ、
お湯をかけて生き返っても可笑しい事なんて無いだろ?
などと期待するも彼女が生き返る事は無かった。
右手に体を洗う為のスポンジを持ち、
彼女の顔に着いた血をこすり落として行く。
彼女の素顔がようやく現われた。口に入れたカラーボールの残酷な事…。
後で必ず外してあげるから、僕に生きていた頃の様な
素敵な面立ちを見せて欲しい。…叶うなら。

彼女の頭からシャワーのお湯当てる。
血が付いていた所からは赤い筋となって血が洗い流れた。
彼女の目は見開かれたままでお湯が目に入っても瞑る気配は無く、
瞬きすらしない事に気付く。痛みやしみると言った感覚は
無いと言う事だろうか。

浴槽の栓を抜き、張った真っ赤な水を排水溝から流し出すと
彼女の一糸まとわぬ姿が現れる。綺麗だ、と正直に思った。
体の血液はほぼ流されてはいたが、シャワーを彼女にあてつつ
全身をスポンジで擦り血を残さず洗い流す。彼女の胸から股の間まで。
「なぁ、ここで彼女を素手で探ったら最悪だよな。」
…そんなセリフが飛び出した。
ふと、何が感染するか判らないだろと頭の中で声が響いた。
…よかった。これでもほんの少しの理性は残っているらしい。

彼女の左肩の傷口に目をやる。
出血は無く、水の中に入れて血の気の無くなった
生肉を思い出す様な灰色がかったピンク色だった。
包帯は何処にしまってあるのか思い出せないが、
後で撒いておかなければと思う。

シャワーのお湯を止め、浴槽の栓を抜いた。
赤い液体が徐々に流れ彼女の体が露になって行く。
彼女が浴槽から立ち上がろうとするより早く
脱衣所に置いてあるバスタオルを取り、彼女の頭から拭き始める。
体もおおかた拭き、僕はバスタオルを自分の肩に掛け、
彼女を抱え上げ浴槽から出し脱衣所へ屈めて座らせる。
脱衣所の洗面台の脇に掛けられたドライヤーを手に取り
彼女の髪を乾かし始める。細い柔らかい彼女の髪は
ドライヤーの風にあおられ乱れ舞いながら
水気を失って行きさらさらの手触りを示し始めた。
ドライヤーは元の場所へ戻し、僕は彼女のさらさらの髪の毛で
覆われてしまった顔から髪を両手でかき分ける様にしてどかし
顔を露にし、再び彼女を抱え上げリビングに向かった。

リビングに戻ってみると、ソファーは血の跡があちこちに着いていて
さらに床には彼女が落として割った花瓶の破片が
散らばったままなのに気付く。裸の彼女をここには置けないと思い
2階の自分の部屋に運ぼう決め、
バスルーム入口の手前にある2階への階段へ
彼女を抱えたまま向かおうとした刹那、
ドンッ……ドンッ…ドンッ…と木の壁を殴りつける音が聞こえた。
玄関から響くその音は何かがドアを叩いている音だった。
戦慄が、僕を襲った。


玄関を叩く音。
…まさか、父さんがもう帰ったのか?
会社にいたならあの電話の後に家に向かっても
通常で2時間はかかるはず…だとしたら、誰だ?母さんか?
なら、玄関を開けなくては?
それとも、やつら歩く死体が叩いているのか?

ドンッ…ドンッ…ドンッ…
音はなおも続いて響いて来る。
リビングの脇で立ち尽くす僕に、
彼女はカラーボールが押し込まれている自分の口を
噛み付く様なそぶりで、ドアを叩く音のリズムと同じ感覚で
僕の顎へぶつけて来る。そのリズムに戸惑い今何をしたらいいのか
一瞬頭が真っ白になりパニックを起こしそうになったが
さらに彼女のぶつかる衝撃で我に帰り、
僕は彼女を抱えたまま玄関へ向かい
玄関のドアにある覗き穴から外の様子を確認する事にした。

外の通りから玄関までは3m程の石畳が敷いてあり
玄関から見て右手は隣の家の柵と垣根、左手は母親が作った花壇に芝生、
その脇には一昨年死んでしまった、
主のいない犬小屋がそのままになっている。
犬がいた時はまだいいが、門も無く今思えば無防備な作りだ。
覗き穴から見えた光景は、
石畳に引きずって出来たような血の跡が見えるだけで
見た限り人影はない…一体何の音だ?と思った矢先、
「ゔぁぁぁぁぁ…」と呻き声が聞こえたかと思うと
ドンッ…ドンッ…と玄関を叩く音が間近で響いた!!
玄関のドアの下の方で何かが叩き続けている!!
ダメだ!! これは確認どころの話では無い!!
血の跡から察するに立てずに這いずり回っているやつらの一人だと思う!!
何故、僕の家へ?ノックをしているつもりなのか?
ドアノブがギシッ、ギシッと2度回転する。
鍵がかかっていて開きはしない。
また、ドンッ、ドンッとドアを叩く音に変わる。
明らかにドアを開けようとしている?だとしたら記憶があるのか?
しまった!! 玄関の鍵は掛けてはいたが、他の出入り口は?
鍵はかかっているはずだけれど…雨戸は締めるべきだっただろう!!
まずい!! 一階にある出入り出来るサッシの窓は、
リビングに、両親の寝室に、父親の書斎!!
彼女に気にかけ過ぎで全く忘れていた!!
今、雨戸を閉めにかかっては命取りかもしれない!!
ここはゆっくりと音を立てず移動し彼女を2階へ運び、
やり過ごすしか無いのか!?
サッシの窓ガラスを割って入って来ない様に
祈るしか無い!!

ドンッ…ドンッ…ドンッ…ドアを叩く音が響いている中で
僕は彼女を抱えたまま階段へとゆっくりと移動を始めた。
階段を踏み外さない様に慎重に登りきり、
自分の部屋のドアを開け、中に入り鍵をかけた。
彼女を抱えたままドアに背をもたれかけ
僕の体で全裸の彼女を被い、
護る様な姿勢でしゃがみ込み、
祈る。

頼む!!……何も起こらないでくれ!!


(続く)

第4章へ。


さて、玄関の扉の前には一体何が!!!
とりあえず後2話まではできましたが…
どうかな〜読み物になっているかな〜?
現状報告の箇条書き風に書いています。


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